内容説明
舞台は唯一無二の独裁者「超厳師」が支配する絶対的な独裁国家。自由を剥奪され「けだもの」として扱われている国民には、ひたすら体制に奉仕するための強制労働が命じられているディストピア社会…。非人道的な抑圧システムが張り巡らされた世界で、禁止された“囁き”を密告し、遺反者たちを抹殺する取締員として頭角を現わした主人公は、首都を離れ各地を粛正して回る旅に出る。その真の狙いはただ一つ、母親を探し出して亡き者にするという妄執的な渇望だった…。キューバの亡命作家レイナルド・アレナスによる自伝的五部作の最後を飾る衝撃的な作品。
著者等紹介
アレナス,レイナルド[アレナス,レイナルド] [Arenas,Reinaldo]
1943年、キューバ東部オリエンテ州に生まれる。経済的に困窮した少年時代を送るも、キューバ革命後にハバナ大学に入学。卒業後、国立国会図書館に勤務するかたわら貪欲に読書と執筆にはげみ、長篇『夜明け前のセレスティーノ』(1967年)でデビュー。それ以降は、六〇~七〇年代の初期革命政府による芸術家や同性愛者への激しい弾圧により、国内での出版を禁じられるとともに、強制労働や投獄など過酷な体験をこうむった。国外で出版した『めくるめく世界』(1967年)の成功によって、ブームの一員として国際的な評価を獲得。1990年に自殺
山辺弦[ヤマベゲン]
1980年、長崎県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、日本学術振興会海外特別研究員として、ニューヨーク大学比較文学科に在籍。専攻、キューバを中心とする現代ラテンアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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