内容説明
田舎町のホテルにひとりの男がやって来た。無愛想な人柄…若い娘との待ち合わせ…妻子の来訪…町人たちは噂し、疑り深い語り手は男の背景にひとつの物語を紡いでいくのだが…語り手の視点から言葉巧みに読み手を作品世界へと誘い、作者自らこの作品を偏愛した秀逸な中編。表題作のほか、モンテビデオで起きた実話を憎愛と復讐の物語へと変貌させた「この恐ろしい地獄」。婚礼というオブセッションに取り憑かれた狂女を幻想的に描いた「失われた花嫁」の傑作短編を収録。
著者等紹介
オネッティ,フアン・カルロス[オネッティ,フアンカルロス] [Onetti,Juan Carlos]
1909年、ウルグアイの首都モンテビデオに生まれる。中等教育すら終えることなく、文学と縁遠い職を転々としながら創作を始める。1930年、初めての結婚を機にブエノスアイレスに移り、1939年に中編小説『井戸』を発表。同年、ウルグアイの有力新聞『マルチャ』の編集に加わり、1941年にはロイターに職を得る。1950年代半ばまでブエノスアイレスとモンテビデオを往復しながら、作品を執筆。1961年に発表した『造船所』の成功によって「ラテンアメリカ文学のブーム」に合流する。1975年、マドリッドに亡命。1980年、セルバンテス賞受賞。1994年に没する
寺尾隆吉[テラオリュウキチ]
1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部准教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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