内容説明
データベース化が進行し、人間と社会とがますます乖離してゆく現在、「コンテンツ」とはどのように語りうるのか?村上春樹や『シュタインズ・ゲート』、エミネム、『もののけ姫』にいたる多彩な表現を通して、この「21世紀」を新たに読み直すための果敢な実践。
目次
Dメールが届いたら
八.六光年の孤独
予告篇の男
アトムとタワーとラーメンズ
サンプリング・ザ・フューチャー
ゴーストシティに生まれて
廃墟というコンテンツ
永遠にSFになり切れない
独白者はかく語りき
クマが自伝を書く理由
うぬぼれ鏡の向こう側
ノイズ・ノイズ・ノイズ
見えない樹木たち
日本の森のあいまいな私
著者等紹介
波戸岡景太[ハトオカケイタ]
1977年、神奈川県に生まれる。慶應義塾大学大学院後期博士課程修了、博士(文学)。ネヴァダ大学リノ校客員研究員を経て、明治大学理工学部総合文化教室准教授。専攻、アメリカ文学、文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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梟をめぐる読書
2
シュタゲ、新海誠、円城塔、ラーメンズ、エミネム、ピンチョン、村上春樹、宮崎駿、ひぐらし。旬なコンテンツとポップカルチャーを横断する、気鋭の評論集。東浩紀の影響を受けてかデータベースという単語の適用がちらほら見られるが、ほかならぬ著者自身がノスタルジーという批評軸の導入によってその概念を裏切っている気がするのが興味深い(データベース/ノスタルジーなのかデータベース=ノスタルジーなのかは再考の余地がありそうだけども)。問題はもとの掲載誌(現代詩手帖)と版元と値段。果たして届くべき人に届くのかどうか……。2011/11/25
時計回り
0
著者は「他人に言葉を届けること」をして「未来」とするのではなく、批評をもっと根源的、存在論的な文脈に読み替え、その文脈上での在り方、つまり未来を模索されているのかなと、あとがきを読んでいて感じました。2012/03/08
2kz1
0
タイトルが釣り。評論集。 / ノスタルジー/ノスタルジアが通奏低音をなしているんだけど、便利ワード過ぎる…2012/01/16