内容説明
言葉のない場所に言葉を、生命のない場所に生命を感じとる―。アメリカ先住民やチカーノ、そして沖縄の民らの表現を媒介に、重層化する彼らの“アイデンティティ”を問い、他者へと開かれてゆく、清冽な文学論。
目次
序章 私(たち)はどこにいる―「場所」と「居場所」と「故郷」をめぐる一考察
第1章 故郷という居場所―サイモン・オティーズの詩が築くもの
第2章 沈黙に寄り添う言葉―アメリカ先住民と山尾三省のアニミズム
第3章 ラ・ヨローナとリオ・グランデ―失われた故郷を想像/創造するために
第4章 新しい場所に根ざす―小圃千浦とデイビッド・マス・マスモトの故郷と再定住
第5章 境域てしての場所と身体―クイアエコフェミニズムとシェリー・モラガの演劇
第6章 淵を居場所とする者たちへ―崎山多美のクジャ連作小説における記憶と交感
著者等紹介
喜納育江[キナイクエ]
1967年、沖縄県生まれ。ペンシルヴェニア州立インディアナ大学博士課程修了(Ph.D.、2000)。現在は琉球大学国際沖縄研究所(法文学部併任)教授。専攻はアメリカ文学、ジェンダー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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