内容説明
超大作『人生使用法』や『煙滅』を書いた、前代未聞の怪物作家ペレック。自伝的テクストや文学論、対談など、作家の全貌に迫る重要なテクスト19編を集めたアンソロジー。両親を失った作家自身とも重なる少年の姿を描いた表題作や、ウリピァンならではの「ヌーヴォー・ロマン論」、「書くこと/生きること」についてのエッセイ、「マルカム・ラウリーと酔っぱらいたい」と語る、陽気なペレックの「やってみたいことリスト」など、稀代のウリポ作家の魅力あふれる短篇集。
著者等紹介
ペレック,ジョルジュ[ペレック,ジョルジュ][Perec,Georges]
1936年、パリ生まれ。1982年、同地に没した。小説家。1966年にレーモン・クノー率いる実験文学集団「ウリポ」に加わり、言語遊戯的作品の制作を行う
酒詰治男[サカズメハルオ]
甲南女子大学文学部教授。専攻、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
2
「フィクションの楽しみ」というシリーズに入っているけれど、中身はエッセイ、掌編小説、書簡、対談、書評に加えて、なんと命名して良いのか分からない文章など。それにつけても、彼が出来事や物事を分類し、命名し、保管することについて異常なほどの熱意を持っているということを、しみじみと思い知らされる一冊。彼が残した作品についての言及なども鑑みれば、ペレックファン、あるいはペレックマニアにとって好適品となるでしょう。逆に言えば、初ペレックをここからというのはおすすめできません。2011/09/26
shirokuromarble
1
一応「書くこと」を仕事にしている自分としては(最近はほぼ“ナンチャッテ”ライターだけれど涙)、ペレックの執筆することに対する思いとか姿勢がすごく刺激になった。背筋がしゃんと伸びた感じ。あー、書きたいなー、いいものを。と、久々に思った。2012/02/21
nranjen
0
非常に寄せ集めだが、それぞれの作品の位置付けやペレックの背景色々、やっぱり面白かった。自分的にはやっぱり「家出の道筋」が好き。あとベタだけど「ヴィラン通り」。ということはやっぱりペレックの作品ということになるけど、論述もそれはそれで収穫が多い。2016/07/13
ときのき
0
「冬の旅」がよかった。できのいいボルヘスのパスティーシュみたいで。2013/11/08
笠井康平
0
次に『考える/分類する』を薦めるか、『さまざまな空間』を薦めるか。日本人ペレキアンのなかでも意見が割れそうだ。2012/08/16
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