カズオ・イシグロ―境界のない世界

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784891768218
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0098

内容説明

デビュー作(『遠い山なみの光』)から最新作(『夜想曲集』)までの全作品をとりあげグローバルな作家の全貌にせまる。本邦初のイシグロ論。

目次

1 反転する地図―『遠い山なみの光』
2 立ち昇る煙―『浮世の画家』
3 “偉大さ”のアイロニー―『日の名残り』
4 分断される身体―『充たされざる者』
5 幻想の上海租界―『わたしたちが孤児だったころ』
6 座礁した船―『わたしを離さないで』
7 世界への悼み歌―『夜想曲集―音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』

著者等紹介

平井杏子[ヒライキョウコ]
長崎市に生まれる。現在、昭和女子大学教授。専攻、英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

116
図書館で見かけて借りてきた。第一作の長崎は、きちんと長崎の地図通りに書いたのではないらしい。なるほど。著者は、イシグロや家族のこと、それらが作品に与えた影響などを細かく調べておられるが、そんなことは作品を味わうのにあまり意味はないのではないかと思った。作品で書かれた事をその中で味わえればいいのではないかな。評論的なものは、なかなかしっくりくるものは無いなということを再確認。2021/08/08

viola

10
カズオ・イシグロについて日本語で書かれた単行本というのはこれが初めてではないでしょうか。(『遠い山なみの光』から『夜想曲集』までの7作品が7章になっており既読作品のみ読むという読み方も可能です。もうちょっと突っ込んでも良いかなとも感じますが、カズオ・イシグロがどう述べたのかが記されてあるのは分かりやすい。「何人かの批評家は(日の名残りの)スタイルが非常に日本的だと言っています。そしてこういうことを言う批評家は、大抵日本文学をほとんど知らない人たちなのです。」2011/04/03

スイ

8
昨年、この本の既読作品論だけ読んだのだけど、とても面白かったので、2017年の読書目標の一つに、カズオ・イシグロの未読単行本を読み切って今作も通読する、というのを入れた。 まさかノーベル賞受賞の都市と重なるとは。 ありがとう本書! 少々作者の背景に引き寄せ過ぎだと感じたところもあるが、もちろんそれも一つの読み方。 とても丁寧に論じてあり、カズオ作品と共に読み返していきたい。2017/12/14

peace land

3
カズオ・イシグロを日本人としてマスコミがノーベル賞受賞についてこだわっている。本人は限定されるのは戸惑いがあるように思う。タダどの作品を読んでも、翻訳ものを読んでいるという感覚が薄いのは確かだ。それぞれの作品を思い返しながら、この本も読み進んだ。長崎が舞台の「遠い山なみの光」、「わたしを離さないで」が印象に残った。2017/12/19

NARU

3
イシグロ作品の復習も兼ねて購入。著者の生い立ち等を基に、作品の根底に流れる思想を分析している。ちょっとこじつけではないかと思える部分もあるが、作品同士の繋がりを考察している点は面白い。惜しむらくは、1冊で全作品を扱っているため一作品当たりの分量が少ないことである。作品のあらすじとポイントになる部分を少々説明するだけで終わってしまっている。作品単位ではなく、作品全体の横断的な分析もあれば良かったと思う。なお、本書で書かれているあらすじにはネタバレが多数含まれている。未読の方は先に作品を読むことをお勧めする。2017/02/15

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