目次
子供時代
アーティストになる
仕掛ける
個人的神話
かけがえのないアイディア
既成イメージをぶち壊す
美しい写真
成功の奇跡
万人は聖人
嘲笑と悲劇の間で
アーティストの人生
芸術的共通点
暗澹の年月
死の前に
作品の命
真実を語る?
カタログ・レゾネ
それで、君はどうやって死んだの?
日本のこと
著者等紹介
グルニエ,カトリーヌ[グルニエ,カトリーヌ][Grenier,Catherine]
美術史家、キュレーター。2006年までポンピドゥー・センター現代アート・コレクションの責任者を務めた後、フランス文化省造形美術部門のアドヴァイザーとしても活躍
佐藤京子[サトウキョウコ]
1954年、福岡県に生まれる。パリ第三大学比較文学科博士課程中退。現在、フランス在住。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燕
1
インタヴュー形式の本書、後半になってボルタンスキー自身が自分を嘘つきだと言いはじめ、今まで読んできた物語のどこまでが本当なのか嘘なのか突然わからなくなる。そして気がつくのは、語られてきた彼の人生の物語もまた、ボルタンスキーの一つの作品だということ。さらに、ああそうか、芸術作品もすべて一種の嘘、嘘を語ることこそが普遍的な真実を表現することにつながるのだと改めて気がつくのだ。でも私たちの過去の記憶も怪しいもの。それは無意識のうちに常に都合よく書き換えられ、編集される。芸術論の部分も興味深く誠実な良著。2014/12/02
Rinopy
1
キュレーター、カトリーヌ・グルニエによるボルタンスキーのインタビュー集。私的に作品に惹かれるとご本人の事を知りたくなるんですが、個性的なご両親や家族の事など、やっぱりバックグラウンドも興味深い方でした。2011/02/23
claris
0
インタビューとしてとても中身が充実している。本人の人となりや作品の意図はとても分かりやすいが、家族や私生活についてなどはどこまで本当のことを語っているのかとついつい探偵のような気持ちで読んでしまう。2017/05/14
邪馬台国
0
ずっと頭の片隅で気になっていたアーティストだったので、おぼろげなインタビューでいろいろ知れて良かった。掴み所がないようでいて、どこか滑稽。非常に人間臭く、ごく普通の人でもあるように感じられた。すごい人ほど、自分の極々普通な側面をきちんと飼い慣らせているのかなとも思った。2013/12/02
カウチ
0
ボルタンスキーへのインタビューを通じ、幼少期から現在までの人生から彼の作品を読み解こうとする本。同名の映画作品がある。 彼の出自や家庭環境、世界の歴史が彼に影響を与えていることが読み取れる。幼少期のエピソードを読むと、生れながらにアーティストだったのだなあと思う。 最も心を掴まれたのは「死を恐れ、死から守らねばならない。」という彼を突き動かす動機。記憶の痕跡を集積したり提示することでそれを試みるが、試すほど不可能であることがわかる矛盾。それでもなお試行を続けるという純粋で優しい眼差しに感動を覚える。2019/07/13