内容説明
一篇の詩が言葉をこえて「詩絵」となる。独自のタイポグラフィを考案し、常套的な詩の書き方を打破したE.E.カミングズ。時をこえて読みつがれるその詩を新たな感覚でおくる。カミングズの詩空間をめぐる“詩の散歩”。
目次
1 カミングズ作品(詩(“Humanity i love you”;“nobody loses all the time” ほか)
散文(アメリカン・ブリティッシュ・アート・センターで開かれた個展のカタログから;メモリアル・ギャラリーで開かれた個展のカタログから ほか))
2 論考(カミングズの詩、あるいは、詩のエッセンス;カミングズのタイポグラフィによる意味の同時多重性と「i」)
3 解説(ちいさなわた詩がやってくる解説)
著者等紹介
ヤリタミサコ[ヤリタミサコ]
岩見沢市に生まれる。詩人。高島誠、新倉俊一、藤富保男らに師事。明治学院大学文学部英文学科、社会学部社会学科卒業。東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科人間科学専攻修士課程修了(専攻、女性学)
向山守[ムカイヤママモル]
1965年、東京に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科英語英文学専攻博士課程満期退学。現在、静岡福祉大学准教授(専攻、英語学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kumiko Fujiwara
1
カミングスの詩がより面白くなる1冊。2019/08/04
空虚
0
だって感じることが一番だから あれこれ文法的に 気をつかうヤツは あなたに最高のキスなんてできないさ [since feeling is first] タイポグラフィーのテクニックを駆使して、まるで絵画のような詩を紡ぎ出したカミングズだけど、こんなストレートでカッコいい詩もある。翻訳も古くさくなく、対訳なのもありがたい。原文と翻訳を交互に眺めつつゆっくりと咀嚼してゆくと(音読するとなおよい)、カミングズの魅力がじわじわと伝わってくる、多分、何度か泣いた。