内容説明
伝統への反逆者、バタイユ。その思想はアリストテレスから続く。伝統的な哲学の系譜・形而上学に裏付けられ、またそれをはみだしていくものだった…。バタイユの経済理論、哲学・文学作品を精査し、形而上学そのものを問い直しながら、その「外」へと開かれた「経験」の思想をあばく、極限の哲学。
目次
序論
第1章 内的経験のブランショ革命
第2章 内的経験の「内」と「外」
第3章 科学の優位―「普遍経済」と太陽の贈与
第4章 内的経験への回帰―『至高性』と『エロティシズム』における方法の変化
第5章 内的経験と文学を繋ぐもの(1)―裸であること
第6章 内的経験と文学を繋ぐもの(2)―文学の真理
著者等紹介
岩野卓司[イワノタクジ]
1959年、埼玉県に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学博士課程満期修了、パリ第四大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。現在、明治大学法学部教授。専攻は思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bevel
4
バタイユを哲学から読むという本なのだけど、結局のところなんとなく集めてきた思想をダシにして、「起源は非起源に裏打ちされている」という毒にも薬にもならない結論に至っているだけのように感じた。シェストフとかコジェーヴとの関係が読めるかなと期待したのだけど、筆者の言う哲学とは、「知」とか「時間」とか「空間」について「ごく常識的に考えるときに私たちが知らず知らずのうちに前提としているような考え方」のことらしい。「挑発的な問題提起」と呼ばれるものも、どこらへんが誰を挑発しているのかまったくわからない。うーん。2018/06/07
kapo54
2
テーマはすごく面白い。筆者の主張は重箱の隅をつつく感じで興味を引かれない。バタイユ自身が面白い。もう1冊くらい研究書を読んで、その後でバタイユのテキストをじっくり読んでみたい。2015/09/08