感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SHIGEO HAYASHI
5
46年刊『おしゃべり』と60年刊の短篇集『子供部屋』(4篇)がカップリングされた作品。今回再々読して初めて「読めた」と思った。計5作品は同工異曲(むしろ同曲異奏かな)といえて、乱反射し合う鏡の空間のなかでのとりとめのない言葉(おしゃべり)によって、孤独と沈黙が満ちていく。これほど読み手の視線を行間と余白に向かわせる作家も珍しいかもしれない。晩年のバタイユが愛読し、ブランショとの友愛に結ばれたデ・フォレの緻密な筆は、眩暈を起こさせる錯乱を完璧にコントロールして、稀有なことに洗練された作品に昇華させている。2013/01/03
きゅー
4
短篇集だが、いずれの作品でも主題は「沈黙」。ただし、この沈黙を表現するために彼、ルネ・デ・フォレは過剰なまでの「おしゃべり」を配置する。延々と行われるモノローグの結末に現れる沈黙、幾人かの会話者の中でただひとりそれに加わろうとしない者による沈黙、すばらしいオペラ歌手が歌を歌えなくなること等々。しかし私には、この小説の饒舌さはストレスだった。作中人物の多くが自意識過剰で、衒学的で、気障に感じられてしょうがない。変化あるストーリーも殆ど見られないため苦行に近かった。2011/11/23
カケル
3
書くことと読むことこそ“沈黙”と“孤独”を成就する最高の方法ということですね。2022/10/20
弟子迷人
2
一目惚れして買ったものの、積ん読というか放置状態なので読み終わったことにしてしまう。バタイユ晩年の愛読書ということなので、もすこし修行して、再読しますです。amazonでレビューしてる方、偉いと思いました。敗者復活戦に挑戦します。
ドミニク
1
――――― 惨敗。理解できず。2014/01/18