内容説明
未来派、ファシズムを経て、カルヴィーノ、エーコへ―。国家と歴史の境界を超え、先駆者/簒奪者/傍観者/抵抗者として生きた表現者たち。かれらの実験と実践を手がかりに、いま、この時代の“夢”と“現実”をやわらかに映し出す、20世紀イタリア文化論の結晶。
目次
第1部 “ファシスト”たち(アヴァンギャルドの桎梏―マッシモ・ボンテンペッリと未来主義;ファシズム下で無国籍者であること―サヴィーニオをめぐって;ファシズムの物語・物語のファシズム ほか)
第2部 断章(未来派とオリンピック―トリノ五輪開会式を見て;失速する夢;「鉛の時代」の傷痕 ほか)
第3部 “主語”としてのイタリア(イタリアのなかのアメリカ―もうひとつのコスモポリチスム;イタリアのなかのヨーロッパ―エルメティズモ論序説;「参加」の変容あるいは参加する読者―エーコの大衆小説論をめぐって)
著者等紹介
和田忠彦[ワダタダヒコ]
1952年、長野県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、東京外国語大学教授。専攻、イタリア近現代文学、文化芸術論。エッセイストとして、またカルヴィーノやエーコをはじめとする優れた翻訳者としても定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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