内容説明
野蛮に支配された惑星シカスタ。その命運を担うジョホーアが、流浪の果てに行き着いたのは…。混迷の現代を幻視する“黙示録”。
著者等紹介
レッシング,ドリス[レッシング,ドリス][Lessing,Doris]
1919年、ペルシア(現イラン)に生まれる。のちに南ローデシア(現ジンバブエ)に移り、現地の学校に入学するもなじまず、学校を離れ、以後、独学を続ける。ノーベル文学賞受賞
大社淑子[オオコソヨシコ]
福岡県に生まれる。現代英米文学専攻。早稲田大学大学院博士課程修了後、早稲田大学法学部教授を経て、早稲田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人類を現在に置き、外宇宙から触れてくる、あるいは視線を感じさせ存在を匂わせる超越者や過去の超越者の存在を物語の設定とする作品は少なくないが、この物語は地球人からすると超越者というしかない存在の視点で語られ始める。SFとも神話ともつかない物語の数々は多少読み辛いながらも読むことを止めることはとてもできない。後半の現代人視点となってからの語りはまた、雰囲気がガラリと変わる。壮大な世界、存在と、人間個々人という小さく激しい者、それぞれに魅せられる。2009/11/09
rhymerary
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途中で断念!2009/04/28
KATSUOBUSHIMUSHI
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SFなのに近代世界のひどい状況をとにかく突き付てくる小説。ポストコロニアルなところはもちろん、目的を持って転生する魂や共同体の重視なんかもアフリカっぽい思想が反映されているのかもと思った。進歩しているはずの宇宙人側もまた帝国主義をやっているのはツッコミどころだと思ったが、一神教の信仰はカノープスみたいな良い形の植民地化を求めてるんじゃないかとも考えさせられる。本当の現実では第三次世界大戦は起きていないわけだけど、これはシャマットが持続可能性を意識し始めたって考えればいいのかな?2025/02/08