内容説明
『アベラールとエロイーズ』から『貧しき人々』『チェーホフの手紙』『チャリング・クロス街84番地』そして自作『女流』まで―。古今東西の書簡集を“文学”としてとらえ、著者独自の視点で闊達自在に読み解く。
目次
第1信 『アベラールとエロイーズ』
第2信 『模範書簡集』/『パミラ』/『クラリッサ』
第3信 『危険な関係』/『貧しき人々』/『ハーツォグ』/『フェリーツェへの手紙』
第4信 『チャリング・クロス街84番地』
第5信 『チェーホフ 妻への手紙』/『ベンヤミン著作集 書簡』
第6信 『菅野満子の手紙』/『ヒュペーリオン』/『西東詩集』/『ディオティーマの手紙』/『女流』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
フリウリ
6
アベラールとエロイーズ、サミュエル・リチャードソン、ドストエフスキー、カフカ、チェーホフ、ゲーテ、そして自分自身の「書簡文学」について語っていますが、なかなかとらえどころがなく、尻尾をつかませません(笑)。「菅野満子の手紙」に関する文章は、「菅野満子の手紙」を読む前に読んでもなんだかよくわからないのだけれど、なんとなくわかる気がするのは、もはや小説になっているからだとおもいました。72023/09/11
午後
4
カフカが引用しているらしいドフトエフスキーの手紙がとても良かった。あとはアベラールとエロイーズの章の、書き出しの勢いというか堰を切ったような熱が読んでいて楽しかった。2019/07/24
Tonex
3
本そのものが「Nさんへの手紙」という書簡文学のスタイルになっている。第六信は小島信夫が自作を取り上げているということなので期待して読んだが、『菅野満子の手紙』のあらすじをNさんに紹介しているだけ。執筆裏話とか解説とかを期待していたので、はぐらかされた感じで少しがっかり。2015/03/15
うえうえ
2
カフカについて、チューホフについてが興味深い。変身についても詳しく書かれている。2017/10/12
酢
1
『菅野満子の手紙』を取り上げる第六章は怪文書。読んでてたまげた。「それにしても、小説の中に、ふいに手紙が登場するときの、作者と読者の感じる悦び、あるいは新鮮さは、何であろうか(そうでない手紙は、おそらく読んで意味がない)。そのとき、その手紙の声は果してどこからきこえてきているのだろうか。それはたぶん、その小説の水平面にはあらわれていない部分であり、その小説の中の人物も、作者も、口にしたりしなかった部分であり、彼ら自身も気づかなかったのかもしれないも思わせる部分に属するのかもしれない。」p.107-1082022/10/24




