内容説明
あらゆるラテン詩にはアナグラムが潜む…あるいはむしろ「アナフォニー」、「与えられたひとつの語に含まれる音節のいくつかを模倣する」形式が。そこからやがて「イポグラム」という用語が浮上する。詩行に秘められた語を探し出す果てしのない作業に憑かれたソシュールの、執念のノートは百余冊に及び、千行以上の詩の音節がひとつずつ分析されてゆく。「作品中の諸々の語は先行する他の語に由来するのであり、形成しようとする意識によって直接選択されるのではない。」近代言語学=構造言語学の祖として知られるソシュールが、「テーマ―語」を取り囲み反復する無数の響きを追って深みへと向かう足どりを、碩学スタロバンスキーが、その透徹した読解によって検証する。
目次
「反復への心がけ」
二重音とマヌカン
起源の問題
増殖
証明の継続
反響
著者等紹介
スタロバンスキー,ジャン[スタロバンスキー,ジャン][Starobinski,Jean]
1920年、スイス・ジュネーヴに生まれる。現在、ジュネーヴ大学名誉教授
金澤忠信[カナザワタダノブ]
1970年、新潟県十日町市に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。明治学院大学非常勤講師、東京大学大学院総合文化研究科産学官連携研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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