内容説明
世紀末から革命の時代を生きぬいた芸術は、いかにして“ロシア”をとらえ、描こうとしたのか?近代の、爛熟した都市をキャンバスにして、絶えず現出し、越境し、霧散していく“ロシア的なるもの”。文学、映画、演劇、電子音楽の協奏のなかに、その姿なき姿を追い求める、論文8篇を収録する。
目次
「ロシア」が失われ、都市が「ロシア」をうたいだした
1 連環―神話都市ペテルブルク(キリスト降臨都市―ドストエフスキー『分身』のペテルブルク;ペテルブルクの地霊―アンドレイ・ベールイ『ペテルブルク』)
2 拡散―偏在する「ロシア」(オデッサとバーベリ;ロンドンとモスクワ―二つのバビロンの物語)
3 複製―メタ・ポリス(都市消費文化と帝政ロシアの無声映画;知られざる演劇文化―革命前後のモスクワとペテルブルクの小品劇場)
4 響界―帯電する都市(サンクト・ペテルブルクとテルミン)
著者等紹介
近藤昌夫[コンドウマサオ]
1956年、札幌市生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒業、東京外国語大学大学院外国語学研究科スラヴ系言語専攻修了。関西大学外国語教育研究機構教授。専攻、ロシア文学
鴻野わか菜[コウノワカナ]
1973年、横浜市生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシヤ・東欧語学科卒業。東京大学大学院人文社会系研究科欧米文化研究専攻博士課程単位取得満期退学、国立ロシア人文大学大学院修了。千葉大学文学部専任講師。専攻、ロシア文学・ロシア文化
嵐田浩吉[アラシダヒロヨシ]
1963年、米沢市生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒業、東京外国語大学大学院外国語学研究科スラヴ系言語専攻修了。新潟産業大学人文学部助教授。専攻、ロシア文学
杉谷倫枝[スギタニノリエ]
1973年、神奈川県座間市生まれ。東京外国語大学ロシヤ・東欧語学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在学。専攻、ロシア文学
大平陽一[オオヒラヨウイチ]
1955年、三重県亀山市生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒業、東京外国語大学大学院外国語学研究科スラヴ系言語専攻修了。天理大学国際文化学部助教授。専攻、映画研究、ロシア映画史
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