内容説明
ポルノグラフィーとして書かれた著者の面目躍如たる表題作をはじめ、初期から晩年に至る猥雑にして詩的な短篇を集成。
著者等紹介
小林美智代[コバヤシミチヨ]
大阪に生まれる。大谷女子大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在、大阪教育大学講師。専攻、アメリカ文学
田沢晴海[タザワハルミ]
1951年、東京に生まれる。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、千葉短期大学教授。専攻、二十世紀英米小説
飛田茂雄[トビタシゲオ]
1927年、東京に生まれ、2002年、東京に没した。中央大学教授を務めた。専攻、現代アメリカ文学
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感想・レビュー
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駄目男
4
本作は何年か後にパリ時代の、主に娼婦相手の性生活を単に本人が思い出すまま書いているだけの話で、別に面白いというわけではない。ただ、裸で戯れる写真なども掲載されているが、何ら欲情を伴わない意味のないようにも思うのだが。ただ書き手が有名人というだけで、ならこちらも読んでみるかというだけのものだろう。失礼ながらミラーという人は相当な数の女と寝て来たのは分かるが、私の見る限り、あまり好男子とはいえない。然し、パリ時代の彼は相手が娼婦ということからか、思うように女が手に入ったようで、まあ、それはようござんしたね。 2019/05/05
uburoi
3
道化師と天使は驚くほどよく似ている。「梯子の下の微笑」は残酷なラストを迎える道化師の話だ。本書中これだけは3人称で書かれた。だからといってガブリエルがミラー自身ではないなんてことはあるまい。作家は作品の中で何度も死ぬのだ。そして何人もの女と寝る。2024/06/16