目次
第1部 パンフィリーの牧歌(樹;牧場の歌 ほか)
第2部 ミュティレネの哀歌(船に;プサッファ(サッフォー) ほか)
第3部 キュプロス島の碑銘詩(アスタルテ讃歌;夜への讃歌 ほか)
ビリティスの墓
付録 ビリティスの秘められた歌
著者等紹介
ルイス,ピエール[ルイス,ピエール][Lou¨ys,Pierre]
1870年に生まれ、1925年に没す。フランスの頽唐派・象徴派の詩人・小説家。古代ギリシア詩の翻訳から出発し、偽作『ビリティスの歌』によってフランス世紀末詩壇にデビューを果す。その後散文詩から小説に転じ、古代アレクサンドリアを舞台とした傑作『アフロディテ』によって一躍人気作家となる。小説『ポゾール王の冒険』、『女と人形』などを発表。傍ら膨大な遺稿として残されたエロティックな作品の創作にひそかに耽った。文学的名声に厭いて若くして文壇と縁を切り、パリ郊外に隠棲し、万巻の書に埋もれて貧窮のうちに悲惨な後半生を送った。マラルメの弟子筋に当たる詩人として詩友ヴァレリーを世に出し、青年時代に親友ドビュッシーを支えた功績は大きい
沓掛良彦[クツカケヨシヒコ]
1941年生まれ。早稲田大学露文科卒業。東京大学大学院博士課程修了。東京外国語大学名誉教授。文学博士。西洋古典文学専攻
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感想・レビュー
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nina
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豊穣を司る愛と美の女神アフロディテを讃えつつ、ニンフと戯れ、本能のまま放縦の恋に生き、性の愉楽を味わい尽くして散ったビリティス。燦々と照らす太陽の元、軽やかに駆け抜ける女の一生は、羨ましいほど女の性を謳歌しているが、運命の女であったムナシディカとの恋は女同士だからだろうか、何もかも分かっているからこそ激しい情念から逃れ得ず、恋の終わりとともに苦みを味わう様が胸を打つ。退廃と姦濫の捩れた熱気溢れる世紀末、ピエール・ルイスの放った魔法が、古代ギリシャの恋の讃歌を甦らせる。2015/01/19
葛
1
2003年12月15日第1刷印刷 2003年12月25日第1刷発行 著者:ピエール・ルイス 訳者:沓掛良彦 発行者:株式会社水声社 用紙:岡田紙店 印刷:ディグ・方英社 製本:ナショナル製本共同組合 協力:ネオ・エポック 装幀:菊地信義 挿画:エドゥアール・シモ 2023/09/23