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内容説明
「羞恥の沈黙」に閉ざされた第三帝国の忌まわしき記憶。憎悪と敵意の感情に引き裂かれた破局的な情況の下、思想や信条の違いを越えて、自由な精神が躍動し、数多の運命が交錯する舞台だった「カフェ」に集う、有名無名の作家、知識人、文化人、政治家、そして市井の人々。ウィーン新聞界の重鎮が回想する「現代史」のなかの日常。
目次
第1章 帝国延命(カカーニエンの顔見世行列、あるいはあとの祭り;インフレ時代のクローネ銀貨、あるいはロッタール邸の亡霊)
第2章 カフェ・ヘレンホーフ巷談(文学カフェの診断書;性の革命論者オットー・グロースからチャタレイ夫人まで ほか)
第3章 ウィーン最後のサロン(ベルタ小母さん、枢密顧問官夫人ベルタ・ツッカーカンドル;バレエ界の女王グレーテ・ヴィーゼンタールの世界 ほか)
第4章 ヒトラー治下のウィーンの明け暮れ(春のリング散歩;禁欲的な茶話会、あるいはルードルフ・カスナー ほか)
著者等紹介
ドゥブロヴィッチ,ミーラン[ドゥブロヴィッチ,ミーラン][Dubrovic,Milan]
1903年、ウィーン生まれ。1994年、ウィーンに没する。ジャーナリスト。大学で芸術史と社会学を修めたのち、『ヴィーナ・アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙の記者となる。30年から45年まで『新ウィーン日報』文芸部門の編集を務め、戦後は『プレッセ』紙の創刊に尽力し、53年から61年まで編集長として同紙を一流紙に育てる。ボンのオーストリア大使館文化、情報担当官を歴任。常に世論をリードし続けたウィーン新聞界の重鎮
鈴木隆雄[スズキタカオ]
1941年、東京生まれ。東京都立大学人文学部教授。専攻、オーストリア文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。