内容説明
フランスと中国という二つの文化の遭遇。そこに生まれ出る第三の「ヴィジョン」。中国の書法と形式のなかに自らの言葉を融合させ、全く新しい詩形を創り出した文学の冒険者セガレンの、「エグゾティスム」の思考が高らかに響きわたる詩集三作を収録。
目次
碑
頌
チベット
著者等紹介
有田忠郎[アリタタダオ]
1928年生まれ。九州大学文学部(フランス文学専攻)卒業。北九州大学教授、西南学院大学教授を経て、現在西南学院大学名誉教授
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感想・レビュー
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保山ひャン
1
中国の碑をモチーフに、その本の形態も碑に似せた詩集「碑」では、碑の向きによって内容が異なる。治世などに関する讃美は南、友情に関する碑は北に直面、東に向けられるのは愛の碑、戦士と英雄に関する碑は西に向かって立てられる。それ以外の「路傍」「中」も。「碑」と対照的に「ここに収めたのは歌である。石に記録されたものではない」と明記された詩集「頌」は詩と註釈がセット。詩集「チベット」は「ト=ボード(高地チベット、現実)」「ラ=サ(神の土地、想像)」「ポ=ユル(約束の地、超人的世界)」の三部構成の未完本。2018/07/17