内容説明
現代文学の先駆者フローベールが、その小説美学を『ボヴァリー夫人』以上に鮮明にうちだした謎めいた歴史小説『サラムボー』を四つの視角から精緻に読み直し、「何について、書かれたのでもない書物」の夢へと、そして今日における小説の運命へと肉迫する気鋭のフランス文学者の卓抜な作品論=小説論。
目次
第1章 カルタゴの城壁の下で―空間について
第2章 壁の変容―物語について
第3章 無力なことばと不実なことば―会話について
第4章 声とテクスト―語りについて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
17
もとは大学の紀要に掲載された論文をまとめたものとのことだが、すばらしい読み応えだった。『サラムボー』を読んだ人だけでなく、ちょっと敷居が高いと思っている人にも読んでほしい。『サラムボー』、めちゃくちゃおもしろいですよ?2020/12/03
nranjen
0
『サラムボー』はまだ読んだことがないのですが、是非読んでみたいと思いました。フロベールの様々な技法に自分の専門だった作家が非常に強く影響を受けていることを改めてこの本を読んで確認しました。要再読2017/02/27
N
0
会話の分析がおもろーい2021/02/28