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内容説明
〈かれ〉はかつて革命のために暗殺を敢行した〈英雄〉。しかし、今では庇護なき〈逃亡者〉…。鳴り渡る英雄交響曲の響きと濃密な宗教的雰囲気とを基調に、〈娼婦〉、〈偽札〉、〈老婆〉などの符牒が旋回する錯綜したテクスト空間の中で、次第に明かされる、魂の救済を希求する一人の男の血塗られた歴史とその末路。現代ラテンアメリカを代表する作家が描く傑作中篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りー
22
ページ数が少ないから短時間で読めるだろうとたかをくくって読み始め、結局筋を掴みきれないまま読み終えてしまった。一場面一場面はエキサイティングで面白いのだけれど、主人公に名前がないのも相まって時間軸が把握しきれず。再読しなくては。2016/11/12
saeta
5
『失われた足跡』が尾を引く面白さだったので、年内最後にカルペンティエルの同時代の作品を読んで見ました。正直読みながら内容が全く入ってこず、些かしんどい作品でした。訳者の方の解説を読み、そう言う仕掛けだったのねと納得。2016/12/29
qoop
3
追跡される主人公の感情には通り一遍しか踏み込まず、叙事、叙景によってその混乱ぶりを伝える描写の巧さ。名前を与えられていないこともあってか、主人公が個としての特性を十分に備えておらず、むしろ物語全体に個が溶け出している感覚を受ける。時勢はほぼ単線なのに錯綜した読み心地はそのせいだろう。共感を締め出した主人公の物語が根底にある謎と切り離されている本作を読みながら、感傷的なタフガイが右往左往しつつ謎を解く/物語を開示していくハードボイルドを思い出した。ある意味で反ハードボイルド小説だな、と。2016/05/08
warimachi
2
カルペンティエールも3冊目だが、正直言って自分には難しい。解説を読んでもよくわからん。2021/10/07
葛井 基
2
音楽と時間の混沌の中でも、人間の弱さが描かれる。2018/05/30
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