感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tieckP(ティークP)
3
二巻もプラハの攻防戦を除けば淡々と進み、ときに牧歌的である。牧歌と叙事詩の共存といえばウェルギリウス、一度くらいは彼にならって叙事詩を書いてみたかったのだろうか。目のなかを闇が覆った、みたいな言い回しが出てくるけど、イリアスあたりで見たレトリックという気もする。村人たちに乗馬を教え、槍を作らせ、という辺りで読ませるのはこの作家ならではか。主人公の騎手ヴィティコー自体は理想に頑固すぎてもどかしさを覚えるところもあるけど、それに向ける経験を積んだ老人たちのまなざしは、シュティフター自身を代弁してどれも温かい。2013/08/06
きりぱい
3
反乱分子が擁立した大公と現大公との戦いは、現大公が、義兄である神聖ローマ帝国の皇帝コンラートに援助を求める出だしとなるが、国が増えれば登場人物も増えるということで、1巻にも増してややこしくなる人物相関。戦地では独断専行するも、善良で公正との評価が知れ渡るヴィティコーは、コンラートの母である王妃アグネスにさえ、折り目正しい話し方と示されるのが可笑しかったが、そんな傾向は乙女べルタに対しても同じく・・。森の人々に乗馬を教え、不幸や災難に備えよと一丸となる辺りがとてもいい。再び彼等を率いての進軍で終わる2巻。2011/04/14
comcom
1
2,3行で戦いの冷酷さをかいたかと思えば、優美な儀礼のやり取りが対象的でした。母親との再会(ここは胸がつまりそうになりました)やベルタとの婚約などシュティフターらしからぬ物語の進行度。2009/10/31
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