内容説明
中国における仏教受容の歴史は、21世紀のメインテーマ、異文化交流―調和と融合―に大きな示唆をあたえる。世俗にとらわれず、あらゆる執着からの脱却を願う仏教と、現世にこだわり政治優先の中国社会との間には、さまざまな確執が生じた。多大の犠牲を払い苦難を乗越えて宗派を成立させ、中国の宗教となりおおせた隋唐時代の仏教を、再三にわたる弾圧の嵐に焦点を合せながら、抵抗と妥協、そして変容への軌跡をたどる。
目次
第1章 北周の廃仏
第2章 海西の菩薩天子
第3章 隋より唐へ―革命期の仏教
第4章 盛唐仏教の光と影
第5章 武周政権と仏教
第6章 安史の乱と仏教界
第7章 『入唐求法巡礼行記』の彼方
終章 落日の余映
著者等紹介
藤善真澄[フジヨシマスミ]
1934年、鹿児島県生れ。1964年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。文学博士。現在、関西大学文学部教授。中国史、特に隋唐仏教・文化史および日中関係史を専攻
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