若者の「地域」志向とソーシャル・キャピタル - 道内高校生1,755人の意識調査から

電子版価格
¥1,650
  • 電子版あり
  • ポイントキャンペーン

若者の「地域」志向とソーシャル・キャピタル - 道内高校生1,755人の意識調査から

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 259p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784891153298
  • Cコード C0036

出版社内容情報

北海道の高校での若者と地域に関するアンケートとヒアリングの結果を、各分野の研究者がソーシャル・キャピタル的視点で考察した。人口減少社会に生きる若者達に我々は道筋を提示できるのか?



“若者と地域のつながり”に関するアンケート調査とヒアリングを実施した結果、高校生という年代層が持つ地域社会にとっての貴重な潜在力(ポテンシャル)に気付かされた。地元を離れるのか? 残るのか? 彼らの選択行為の背後にあるものは何か?

本書は社会学、経済学、経営学、キャリア教育学、国際広報メディア学を専門とする研究者がそれぞれの立場から「若者と地域のつながり」について考察した。

はじめに



第1章 人口減少社会に生きる若者

【梶井祥子】

1 人口が減少する社会

(1)高校生調査の背景

(2)地域社会のあり方を問い直す政策

2 高校生たちの意識に寄り添う

(1)サイレント・マイノリティ(声なき少数派)の声

(2)北海道の高校生

(3)道内の大学生

(4)地域の磁力とは何か

(5)「所属の困難」と新たな生活価値

3 ソーシャル・キャピタルへの着目

(1)ロバート・D・パットナムのソーシャル・キャピタル論

(2)ソーシャル・キャピタルの類型

(3)ソーシャル・キャピタルの位相

4 高校生の地域へのまなざし

(1)関わりへの肯定感

(2)関わりへの懐疑

(3)今後への提言

5 まとめ

(1)「(幸福を実感できる)生活価値を高める政策」

(2)「ソーシャル・キャピタルと教育支援」

(3)「開かれた地域社会」から飛翔する若者



第2章 北海道の高校生の定住意向とソーシャル・キャピタルの関係についての一考察

【吉地 望】

はじめに

1 北海道の高校生の進路意向

2 高校生の定住意向(地元志向)に関連する先行研究

3 定住意向を規定する生活満足度に影響を与える三つの要素(経済規模、都市規模、ソーシャル・キャピタル)

4 ソーシャル・キャピタルと定住意向

5 進路と定住意向

6 親子の進路希望一致度

7 むすびにかえて



第3章 高校生が語る地域移動の志向

?35人のヒアリング調査結果から?

【三上直之】

1 『銀の匙』が描く高校生の現在

2 議論の枠組み

(1)ソーシャル・キャピタル概念に関する整理

(2)高校卒業者の進路と地域移動

3 ヒアリング調査の方法

4 タイプ別にみた高校生の姿

(1)道外志向または「キャリア中心の移動志向」

(2)北海道志向

(3)地元定住志向

(4)地元回帰志向

5 考察

(1)ソーシャル・キャピタルの効果

(2)回帰志向という希望

(3)「地元」とはどこか

(4)地元への愛着と、地域移動の選択との関係



第4章 地方創生と高校生のキャリア教育

?地域が子ども・若者を育てる“ホンキ”の取り組みとは?

【和田佳子】

はじめに

1 政策主導で進展してきた日本のキャリア教育の流れ

2 北海道の高校生のキャリア教育推進の方向性

3 キャリア教育と地方創生とのかかわり

4 本調査に見られた北海道の高校生のキャリア形成意識

5 市町村が子ども・若者を育てる取り組み

(1)特色ある鹿追町・鹿追高校の取り組み

(2)鹿追高校生へのヒアリング調査から

(3)ヒアリング調査から見えた高校生のキャリア形成意識(考察)

6 地域の中で育む、これからのキャリア教育〈まちが行うキャリア教育の類似事例〉

7 結びとして



第5章 むき出しの若者

?私達は何を渡せるか??

【佐藤郁夫】

はじめに

1 現代的課題のソーシャル・キャピタル的視点

2 日本型、共同体的ソーシャル・キャピタル

3 北海道高校生の進路選択と推移

4 寮生活とソーシャル・キャピタル

5 寮生活から読み取れるもの

まとめ



第6章 ネット社会と高校生

【藤田香久子】

1 日本のネット環境と北海道

2 若者のネット環境と課題

(1)高校生とICT

(2)利用状況と課題

3 つながるということ



巻末資料(調査票/アンケート調査、ヒアリング調査概要)

梶井 祥子[カジイ ショウコ]
札幌大谷大学社会学部 教授(北海道ソーシャル・キャピタル研究会座長)
札幌市生まれ。1979年慶応義塾大学法学部政治学科卒業、2003年北海道大学大学院文学研究科人間システム科学専攻修士課程修了。
1980年北海道新聞社入社、89年北星学園女子短期大学非常勤講師、2003年北海道武蔵女子短期大学准教授、2010年同大学教授、2013年から札幌大谷大学社会学部教授。専門領域は社会学、家族社会学。
著書『絆―喪失から再生、そして新生へ―』(共著)、『これからの選択ソーシャル・キャピタル』【第2章担当】(共著)、『アンビシャス社会学』(共著)。論文「家族意識の変容過程」「札幌市における包括的若者支援の試み」など。北海道社会教育委員会議議長、札幌市子どもの権利委員会委員など公職多数。

最近チェックした商品