内容説明
公助と自助。実りある連携のかたちは?ふるさとの放射線防護を考えるすべての人に!
目次
1章 福島―あの日から起こったこと
2章 事故の影響を受けた地域とそこでの暮らし(環境の放射性汚染;被ばく経路;被ばくの特性 ほか)
3章 事故の影響を受けた地域の人々の防護―ICRPの考え方(ICRPの防護体系と111;緊急時と事故後の防護の骨格;事故後の回復期における正当化・最適化・線量制限)
4章 全体の防護戦略(国や自治体の行うべき防護対策;被災した住民による防護対策;福島第一事故の教訓―柔軟な防護対応を可能にするもの ほか)
5章 汚染された食品の管理(食品のセシウムレベルの推移;汚染された食品の管理をめぐって ほか)
6章 終わりに―4年
別章 放射線による健康影響とリスク(放射線による健康影響;リスクについて理解しておきたいこと ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kobajun
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放射線防護を考える上で欠かせないICRP勧告、その111番について、一般にも理解しやすい様に纏められた書籍。この分野に限らず、日本人はとある問題に直面した時、よく理解しようともせず0か1かの極論を支持する印象が強いので、本書の様に専門書を一般向き教養レベルに纏めた書籍は広く読まれるべきだと思う。関連して、放射線防護原則としての「正当化(正味の利益を得ること)」と「最適化(正味の利益を最大化すること)」は遍く事象に共通する考え方であり、放射線防護に限らず、不利益を排するあまり正味の利益を損なってはならない。2019/08/01