内容説明
鍜治真起さんたちはパズルと偶然に出会い、パズルを自分たちが創刊する雑誌のコンテンツに決めた。コンテンツはパズルでなくてもよかったのかもしれない。しかし、素人集団が作った雑誌は創刊から40年以上がたった今も、日本だけではなく世界中の人たちに親しまれている。鍜治さんたちとパズルや数独との出会いは、もはや“偶然”ではなく、“必然”であったに違いない。パズルを愛し、世界を魅了した男のユニークでウィットに富んだ人生を紹介する―
目次
第1章 世界を席巻した「SUDOKU」 2004‐2006・2021
第2章 『パズル通信ニコリ』の軌跡 1978‐1992
第3章 若かりしころの鍜治真起さん 1951‐1977
第4章 遊びと苦悩のはざまで 1993‐2003
第5章 数独ブーム後の夢 2006‐2021
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
47
今からちょうど10年前、本書でも紹介されている西国分寺のお蕎麦屋さんでたまたま鍜治さんにお目に掛かったことがある。その時は数独のファウンダーと自己紹介された。「毎日遊んでいるようなもんだよ」と笑顔がとても素敵で。改めてご冥福をお祈りします。2025/07/08
koji
20
ニコリのパズルのファンで、特に数独歴は30年以上になり、超激辛数独も解きました(一寸胸張れます)。本書は、ニコリ創業者で「数独の父」故鍛冶真紀(カジマキ)さん(2021年8月、69歳で逝去)の自伝にして、ニコリの社史。鍛冶さんは、時間にルーズで競馬好き、毎夜呑み歩き、非常勤社長を標榜する型破りな人。唯、並外れた発想力と人垂らし力と幸運力は、誰も太刀打ちできない唯一無二。会社も鍛冶さんに振り回され、行きつ戻りつします(倒産の瀬戸際迄いったようです)が40年以上続いています。読むとニコリを応援したくなる本です2023/07/12
magurit
17
ニコリとの付き合いは長かったなぁ!とっても懐かしい話を読んだ。2023/02/26
さすらいのアリクイ
8
ニコリの創業者であり「数独」の発案者でもある鍛冶真起さんの追悼本。追悼本だけども読んでいると血流が良くなる感じがする。鍛冶さんの行動や発言はユニークなものが多いので。会社やパズル雑誌「ニコリ」や「数独」作ったから鍛冶さんは素晴らしい人…という単純な流れの本ではなく、鍛冶さんの生い立ち、行動、考えを紹介して、その部分を会社や雑誌、数独に繋げていく…という本の説明方法、展開がパズルっぽいんですよね。アイデアで人生が変わる愉快な部分も、会社経営の難しい部分も書いてある。鍛冶さんの年輪を確かめるように読みたい本。2023/01/30
都人
5
「数独」の父、鍛冶真起の人生を描く。私は余り「数独」は解かないが、女房は新聞の問題を解くのが好きだ。「数独」の問題で不思議に思っていたが、なぜ最初から明示されている数字の配置が、真ん中の枡を中心に対象になっているのか、と言う疑問があったが(表紙の問題もそうなっている)、これは「ニコリ」のポリシーだと解った。 旅行で行ったベルリン中央駅の本屋には、「sudoku」の本のコーナーがあった。2023/04/07