内容説明
中国は戦闘機用エンジンを国内開発できるか?建国以来の中国航空産業の歩みに迫る。
目次
第1章 国産エンジン開発に苦しむ中国
第2章 各国のジェットエンジン開発
第3章 ジェットエンジンが中国に渡るまで
第4章 中国ジェットエンジン開発の始まり
第5章 呉大観―中国航空エンジン開発の先駆者
第6章 中国のジェットエンジン開発史
第7章 中国航空産業の歴史
第8章 ジェットエンジン研究体制の拡充
第9章 ジェットエンジンの技術レベルと今後の展望
著者等紹介
榊純一[サカキジュンイチ]
1954年生まれ。東北大学大学院工学研究科修了。80年石川島播磨重工業(現IHI)入社。航空エンジンや車両用過給機(ターボチャージャー)の事業に従事。同社常務執行役員を経て、2021年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
76
ウクライナ戦争が激しくなる前、外電で「中国の新型ステルス機」なるものや「空母艦載機」が良く映像で流れていた。では軍用機、いや飛行機そのものの心臓部となるエンジンは如何に開発されてきたか?と、言う一書である。IHIの技術者として、初めて自衛隊指揮幕僚課程に民間から招かれた斯界の第一人者でもある。ジェットエンジンの性能向上に必要な「高温化・材料・制御」の追求に於いて、現状永遠にアメリカに追い付けぬというのが本書の結論である。日本がそれを中国に贈与することが起こり得ないように対策せないかんと、思ったことであるよ2022/04/15
無重力蜜柑
11
製造業大国となり様々な先進技術で世界トップを走る中国。しかし航空エンジンという分野では未だに欧米やロシアの後塵を拝している。それはなぜか? そんな見地から中国の航空エンジン開発史を整理している。分量が少ない上に参考文献や注が貧弱すぎるのが残念だが、類書がなさすぎるので仕方ないか。類書がないので資料価値は高い。毛沢東時代から積極的に国内開発を進めて来たロケットや核兵器と異なり、中国においてジェットエンジンは先進国(時代によってソ連やアメリカ、英仏)からの輸入やライセンス生産に頼っていた。2022/06/02
rineoskiss
1
Wikipedia的に各エンジンの話がまとめられてるのと、欧米からの合法非合法の技術移転がカバーされてる。エンジンのリバースエンジニアリングの難しさとか技術面の基礎知識にはなった。2023/01/15