内容説明
中国の政治には「対等」という概念がない。だから外交も上下関係しかなく、交渉は存在しない。中国とヨーロッパとの最初の外交問題はアヘン輸入増大による貿易収支の悪化であったが、中国は武力行使によってこれを解決する道を選んで敗北した。その後も中国は「対等の外交」ができずに失敗を繰り返す。近代国家からは程遠い特異な中国政治の本質に迫る。
目次
第1章 阿片戦争―阿片戦争は道光帝の戦争であった
第2章 アロー号戦争―アロー号戦争にみる中国の中世然とした戦略
第3章 西太后独裁―頑固愚昧の老大、守旧の国
第4章 日清戦争―日清戦争でも教訓は生かされなかった
第5章 北清事変―集団ヒステリーの中で始まった愚かな戦争
第6章 辛亥革命―破壊には成功したが、建設には失敗した革命
第7章 北伐―孫文、蒋介石と毛沢東が中国にもたらしたもの
第8章 支那事変―蒋介石の戦争決心と暴走する支那通
著者等紹介
別宮暖朗[ベツミヤダンロウ]
1948年生まれ。東京大学経済学部卒業。西洋経済史専攻。その後信託銀行に入社、マクロ経済などの調査・企画を担当。退社後ロンドンにある証券企画調査会社のパートナー。歴史評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
23
西洋を中心とした国際社会を理解せず、中華思想の影響を受けたまま近代において政治 ・外交を行ったことが失敗の大きな要因と感じました。一つの見方で一貫しているため理解しやすいですが、思い込みも強いように感じました。日中停戦交渉における文民の暴走はその通りと感じましたが、河本大佐についてはいきなり断言しているようで違和感を感じました。2022/04/01
かど
3
アヘン戦争から支那事変までの外交と軍事を綴った1冊。中世的な感覚から抜け出すことができなかった清朝末期の状況と近代化を果たした欧米と日本との間に横たわるギャップ。それを埋めることができなかった過程を追ってみることがなんだかもどかしいですね。2014/05/04
のらねこ
3
アヘン戦争から支那事変までの流れをわかりやすく解説。一般では、中国側が一方的な被害者とされるイメージがあるが、実際には彼らの側から条約違反で紛争を起こしてきた様子がわかる。彼らの手法は現在にいたっても変わらないようです。 2008/05/19