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内容説明
戦後40余年という歳月は、日本でもヨーロッパでも変わりないのに、ヨーロッパでは、草の根分けてもナチスの残党を追及する人たちがいる。そのナチスを親に持つ戦後世代は、一体どのような心理的なひずみを残しているのだろうか。
目次
お父さん、戦争のとき何してたの?
あたしに理解できるような説明なんか、これっぽっちもなかった
悪魔として生き天使として死ぬ、そんなことができるもんか
人生に過去がなかったらどんなに素晴らしいだろう
第3帝国の大惨事は私たちの家庭でまだ続いているんだわ
息子と味わった決定的な体験は息子によって父から解放されたことです
でも戦争の犠性者ってえのはいつだって他の奴らばかりだ
父も母も別の決断を下せたのです。自分の意志を持った人間なのですから
両親を犠性者とみなさなくなってから私は新しい別の人間に生まれかわれた
うちのおやじが人殺しなんてあんた、ほんとうに思ってんのかい?
しかし1人は歓呼されもう1人は処刑される
ユダヤ人の夫と生きるという私の決意は孤独への決意とも言えるものだった
父が何をしたって僕はどうしようもない、そのころ僕は生まれてなかったんだし
知っていることをすべて次代に引き継ぐ義務が私にはあるのです