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内容説明
英国の最も聡すべき秘密に挑んだ一女性ソーシャル・ワーカーの奮闘。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M Suga
3
県立図書館から。 社会福祉費削減人口増加の為や労働力として、国策で英国から当時の植民地へ児童が送られていた。本人には何の説明もなく、また親が居たものも承諾も無く。送られた先では奴隷のような重労働や虐待を受けたりという酷い生活が待っていた。 児童移民として送られた女性からの手紙がなければ著者が親との再会、記録の照合することも無く、やがて当事者は亡くなってしまい歴史の中に消えただろう。 映画の原作として読み始めたが、非常に興味深かった。 中世の事でなく1960年代まで行われていたこと。 2012/10/26
MILK
2
ケン・ローチ監督の息子が監督とのことで映画「オレンジと太陽」を観、原作の本を図書館で借りて読んだ。児童移民がすでに目的を見失い児童を移民させるという手段そのものが目的になり、国と民間組織と宗教団体が粛々とその目的のために活動する様が恐ろしかった。別の方も書いていたが中国残留孤児のことが思い出された。「孤児」という言葉の定義に疑問が呈された後半でも。2013/01/17
ぴぃおう
2
1970年代まで英国で行われていた児童移民を描いたノンフィクション。図書館から古い方のを借りて読みました。良書です。国策の名のもとに親や本人の了承無しにオーストラリアへと送られた子供たち。彼らが酷い虐待を受けて育ったこと、今も両親に会いたいと願っていること、実の両親すら移民の事実を知らされていなかったこと、多くの宗教団体が児童移民に手を貸していたこと(しかも正当な理由の元に)。そのすべての事実を英国政府が認めたのはほんの二年前だというから驚かされます。欧州と植民地の関係も垣間見ることができるかと。2012/12/30
ざまたかこ
2
映画は観られなかったので、原作で。事実は小説より奇なり、というけれど僅かな手がかりから児童移民たちの家族を探していくプロセスに、ミステリーを読むように引き込まれる。人のアイデンティティとは何か?福祉が人を救うとは?国の持つ暗い歴史にどう向き合うのか?いろいろな角度から読むことができると思う。そして何より、訳文が美しい!!久しぶりに美しい日本語を読んだ気がして嬉しい。2012/10/24
Junichi Kitazawa
1
こういう社会的な本てのはページがそれほど進まんものなのだけど、一日で読み切ってしまった。この本は凄い。 カトリックにまつわるこういう話は多いよね、やっぱり。2013/03/08