出版社内容情報
あの心清き美少女はどこに消えたのか。超人気漫画原作者が昭和30年代の少女小説中に発見した、汚れなき"超"美少女の原型を再現する。
内容説明
川端康成、西条八十、菊池寛、円地文子も執筆した、本当の美少女が息づいていた少女小説の奇妙な世界。
目次
第1章 美少女が生息した場所
第2章 清らかで、美しく、そして奇妙な美少女たちの世界
第3章 美少女たちの不幸くらべ
第4章 前書きが読者に語りかけたもの
第5章 無意味の楽しみ―少女たちの迷走
第6章 吉屋信子とレズビアニズム
第7章 進化した少女小説―美少女とミステリー「西条八十『人食いバラ』をめぐる考察」
第8章 いま、なぜ『美少女』なのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコ永
2
「はじめに」でひたすら少女を礼賛する。「かつて日本人すべてをとらえ、魅了し、知らぬ間に去っていった、『少女』という名の神がいたのではないか」とかいう。しかし中身はだいたい少女小説を鼻で笑うことに終始している。頷ける部分も多いが、騙された気分になる。おそらく、少女小説にドハマりしていると自認している著者が客観的であろうとするあまり、冷笑的な筆致になってしまったものと思われる。最後にBLに触れているあたり、95年に出版された本であることを考えれば先見性があったといえるのではなかろうか。2009/08/29
朱音
0
美少女のアクションもの、ではなく昔の「少女小説」に関する本。「吉屋信子」と言ったらわかりやすいかな?「少女倶楽部」とか「それいゆ」とか。分類とかちょっとしたストーリー紹介などが書かれている。特にうれしかったのはあの「西条八十の人食いばら」についての話が載ってること!某小説中に「人食いばら」と言う小説のことが載ってて「絶版で入手困難」とか書いてあったのですが、すっごく読んでみたかったんですよ。だって怪奇ミステリーなんですよ、あの西条八十が!このくだり読むだけでもこの本の価値はあると思う(笑)2002/04/20