出版社内容情報
天才ロケット博士が四十五年かけて世界一良い音の出るバイオリンを発明した。伝説の名器をしのぐ音の秘密は゛非常識゛な発想にあった。
内容説明
僕はロケット博士じゃない。天才ヒコーキ屋は半世紀前から、密かに一挺のバイオリンをつくりつづけていた。最先端理論と方程式を駆使した工法が、従来の常識をくつがえす。ロケットも「逆転の発想」も、すべてこの楽器開発の副産物だった。
目次
序章 物語をはじめるまえに
1 決意
2 バイオリンの神秘
3 方程式とバイオリン
4 出会い、発見、笑い
5 僕の五線譜
6 完成
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rumi
3
宇宙ロケット開発の父糸川英夫の自伝エッセイ。彼の生前の功績を讃え小惑星がイトカワと命名され彼の作った戦闘機隼と同じ名の探査機はやぶさが着陸した。その日本の工学分野への彼の貢献もこの一挺のバイオリンがあったからこそ。オカタイ学者様と思いきやそんなところは全くなく少年のよう。彼の人間性や発想力には学ぶべき姿勢ばかり。…ヒデオイトカワ号の音色何処かで聴けないかしら♪2012/07/27
jinrikiplane
3
もう少し技術的な面を突っ込んで書いて欲しかったけど、エッセイとしては丁度良いバランスだと思う。やっぱり作ってみないと分からないこともあるものだな、とか、人間生きるには理由が必要だなとか。なんとなく感想がまとまらない本。2012/05/06
わるを
2
゛必要だがこの世に存在しないもの=自分で作るに限る゛ 「必要は発明の聖母である」by 糸川英夫2012/01/08
ご〜ちゃん
2
糸川英夫さんの多方面にわたる活躍は、どれも本気であり、どれも遊びの部分があるところからきているのだと思う。2011/09/22
にくぺんぎん
2
名器ストラディバリウスを生んだイタリアのクレモアへ一度も行かずに波動方程式を解き続け、完成した「科学的」につくられた唯一の手作りバイオリンの話。2011/07/23