内容説明
二〇〇四年は日露戦争から一〇〇年目の年である。今日、日露戦争を振り返ってみると、それは日本が国際政治の場において国力不相応にかかわらず、列強の仲間入りをした戦争であった。そして世界軍事史でみれば、日露戦争は世界の列強が覇権を争う「列強の戦国時代」の始まりの戦争であり、日本にとっては「日露戦争の勝利が国家戦略の喪失」をもたらした戦争でもあった。…日露戦争は世界にとっても、日本にとっても軍事史上、大きな“分水嶺”を越えた戦争であった。
目次
第1章 日露戦争一一年前(一八九三年)(そのとき世界は;そのとき日本の周辺は ほか)
第2章 日清戦争(一八九四年;一八九五年)
第3章 戦争の谷間(一八九六年;戦争の二〇世紀)
第4章 対露戦争準備(外交と軍事は車の両輪;戦争か、平和か)
第5章 日露開戦(最後通牒から宣戦布告まで;第一太平洋艦隊の撃滅 ほか)
終章 二一世紀への教訓
著者等紹介
松村劭[マツムラツトム]
昭和9年(1934年)大阪府生まれ。防衛大学校二期。陸上幕僚監部情報幕僚、作戦幕僚、陸上自衛隊西部方面総監部防衛部長などを歴任し、昭和60年に退職。現在は、米国国防総省指定法人デュピュイ戦略研究所東アジア代表。情報分析・戦略・戦術などを専門領域として、雑誌・講演などでも活躍中である
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