内容説明
19世紀最大の女流作家最後の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
54
魔性の女グェンドリンをも改心させ、彼女の善悪判断の基準にまでなったダニエル・デロンダの謹厳実直さ。その設定には少し無理があるように思うが、ダニエル・デロンダがユダヤ人の娘を助けたことから急速にユダヤ教の感化を受け始めるという筋書きは、それ以上にかなり強引。さらに、ダニエル・デロンダに、母親が会いたがっているとの言伝てが伝えられ、最終巻で大きなどんでん返しが待っていそうだ。2017/10/22
Э0!P!
1
グウェンは力の志向者であり、ともすればニヒリズム的でやや幼い。対して、ダニエルのなんとも優しい論理学者ぶり。一見、誤っているように見える側の価値を認めてあげる公平な態度は、グウェンの心を善きものへと向かわせる。とはいえ、ダニエル自身は他人に見せないだけで爆弾のような問題-自身の不明瞭な出自-を抱えている。それでも彼は他人のために奔走するのである。2023/10/18