内容説明
中国では日清戦争後、空前の日本留学ブームが起きた。そのころ、日本に留学した陶晶孫と、たったひとりの日本人留学生として中国・広州に渡った草野心平は、上海でめぐり逢う。このふたりの軌跡を追いながら、日中戦争という苦難の時代に両国の架け橋になった人びとを掘り起こす。埋もれていた資料や秘話も収録した貴重なドキュメント。
目次
第1章 日本との出会い
第2章 民国の詩人
第3章 日中文学者の往復書簡
第4章 汪兆銘政権宣伝部顧問
第5章 日本脱出
第6章 大東亜文学者大会をめぐって
第7章 敗戦の上海
第8章 南京集中営での日々
第9章 日本への遺書