内容説明
ぼくはここで、ねむっていた。春がきて、目をさまし、ぐんぐん、のびていった。あらしで水につかったし、はっぱを、かたつむりにたべられた。だれかが、ぶつかってきたこともあった。でも、ぼくはここで、大きくなった。ここで、いまのぼくになった。そしてまた…。ちいさな“たね”だった「ぼく」は、季節とともに成長し…。「科学の本」賞（フランス）受賞のすばらしく美しく、洗練された絵本。
著者等紹介
クロザ，アンヌ［クロザ，アンヌ］［Ｃｒａｕｓａｚ，Ａｎｎｅ］
１９７０年、スイスのローザンヌ生まれ。９歳のとき一家で田園地帯に移り住むが、２３歳でローザンヌにもどり、州立ローザンヌ美術学校でグラフィックデザインを学ぶ。スイス連邦のデザインコンクールで入賞後、絵本創作をめざし、２００７年、Ｒａｙｍｏｎｄ Ｒ´ｅｖｅ（Ｅｄｉｔｉｏｎｓ Ｍｅｍｏ）でデビュー。動植物をテーマにした詩的な文章と、コンピュータグラフィックを駆使した芸術性の高いイラストで人気を博している。２００９年、『ぼくはここで、大きくなった』でフランス「科学の本」賞を受賞
こだましおり［コダマシオリ］
１９５９年、広島県生まれ。神戸市外国語大学英米学科、神戸大学文学部哲学科卒業。１９８９年に渡仏し、パリ第３大学現代フランス文学修士課程修了。在仏邦字紙の編集を経て、現在はフリーライター・翻訳家としてパリで活動している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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KAZOO
126
木の種があるところに落っこちてその後にじょじょに大きな木となっていく様をきれいなコンピュータグラフィックで書かれています。色合いも動物などの感じもうまく描かれています。私は嫌いではないのですが、今後はこのような絵も増えていくのでしょうね。ただ素朴な感じの手書きの絵も大好きです。まあ音楽のレコードとCDの音の感じに似ているのかもしれません。私も最近はレコードの音源のほうが好きになっています。2016/02/07
テルテル
36
人の成長の過程をうまく表現した絵本。産まれる場所等誰も選べない。気づくとそこには自分を育んでくれる環境が存在している。環境によってはすくすく成長するものもあれば、太陽（愛情）に当たることなく成長できずに枯れ果てていくものもある。私のお気に入りの絵本『おおきなあな』と共感。皆、成長したいと願い、自分の使命を探す。そこには多くの困難が待ち受けている。大地に一度根を張れば、動くことは出来ない。『貴方は貴方』誰でもない。貴方を必要としている人が必ずどこかにいる。その人に自分を伝える時の為に今を精一杯生きたい。2015/05/28
ふう
28
妹の孫（小学１年生）にプレゼントするために選びました。まず題に惹かれました。 絵もすてきです。シンプルな形、きれいな絵。日本的な雰囲気だなと思いました。木の一生がやさしく少ない言葉で、わかりやすく表現されています。2012/07/05
みさどん
16
すってきな挿し絵だった。イラスト画だ。名もない種が穴の中から芽を出して大きくなっていくその過程が素敵な絵に表れている。自然の中で大きくなっていった樹木はそんな成長をたどるのだなあと。木に優しい生き物と食べてしまうものと、確かに。好きな本棚2023/02/28
遠い日
13
とっても美しい絵に魅了される。デザイン的で、それなのに風や雨や光を感じるやさしい絵。ひと粒の種から生まれる木の命。芽を出し、根を張り、上へ上へ伸びていく。大きく伸びて、実りも経験して、そしてまた巡る命の不可思議さ。企まず、まっすぐな表現がいい。2014/08/04
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