出版社内容情報
ユダヤ人の家庭に生まれたシャガール。幼いころから絵に興味をもち、画家や詩人にあこがれ、やがてパリへ。彼の芸術の背景にはイディッシュ文化が影響していた。
内容説明
ぼくの名前がまだモイシェ・セガルだったころ。空飛ぶ家、ヴァイオリン弾き、牛や馬、緑色の顔をした人…シャガールの描いた幻想世界の秘密がときあかされる。
著者等紹介
ランドマン,ビンバ[ランドマン,ビンバ][Landmann,Bimba]
1968年、イタリアのミラノで生まれる。ミラノのブレア美術アカデミーを卒業。1996年に創作絵本『アバルとバビルの旅』がイタリアのカステッロ賞の特別賞受賞。翌年、『青い夜への旅』がヴァル・ヴィヴラータ・ナショナル・プライズで第1位に輝く。ほか、『ジョットという名の少年―羊がかなえてくれた夢』、『天才レオナルド・ダ・ヴィンチと少年ジャコモ』などがあり、その作品は世界各国で翻訳され多くの賞を受賞するなど、高く評価されている
白崎容子[シラサキヨウコ]
東京生まれ。慶應義塾大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
317
著者(文・絵)のビンバ・ランドマンはイタリアの(絵本)作家。本書はシャガールの自伝『わが生涯』に基づいて作られている。絵は著作権からオリジナルは使えないので、著者がコラージュで製作。シャガール風のヤギやウシなどを巧みにシンボライズしつつ、独特の風情を醸し出している。どのページもロシアの、そしてユダヤの哀しみと情調に満たされる。また、ページごとに背景の色を変えるのも効果的だ。絵本だが、あまり子ども向きという感じはしない。対象は中学生以上だろうか。2023/08/07
kinkin
99
シャガールの絵のオマージュに感じた。中で使われた絵はよく見るとダンボールや小枝などに色を塗り配置したもの。私はコラージュが好きなのでとても気に入った。彼がユダヤ人ということも知った。こういう本は図書館で借りるより自分の本棚に置いておきたいなあ。ゆったりとした時間、いい匂いの時間、いい音が聞こえてくる時間と一緒に。図書館本2022/02/10
ひらちゃん
65
シャガールがどうしてあんな画風なのか、彼にはそう見えているんだと思えた。誰にも理解されない日々は辛かっただろうに、書くことを諦めなかった。いえ、彼には書くことしかなかったのだろう。綺麗な青が尊い色に見えた。2019/12/15
bibi
41
順風満帆な画家人生を送った人って、何人いるんだろう?波瀾万丈な人生を歩んだ人の方がむしろ多い⁉シャガールももれなく波瀾万丈な人生。子どもの頃は、絵を描いているときにしか自分でないような、、、そして「ほかの人と同じ絵なんか、ぼくはぜったいに描かないぞ」って。それがシャガールのファンタスティックな世界を描き出したんだね。2021/01/30
毒兎真暗ミサ【副長】
31
シャガールのベラルーシでの幼少時代のお話。シャガールの絵のレプリカントを切り絵にしているのか、上手に背景と組み合わせている。「僕は絵描きになる!」とシャガール少年は一途に生きる。色々あった。色々失敗した。でも描き続けた。好きってそうゆうことなんだよね。「パリに行く!」突き抜けたら気づくんだよね。飛び出すくらいに。好きな事があるって、なんて素晴らしいんだろう。2024/02/07