名画の秘密 ヴェロネーゼ―カナの婚宴

カルミナーティ，マルコ【著】〈Ｃａｒｍｉｎａｔｉ，Ｍａｒｃｏ〉/越川 倫明/山本 樹【訳】

西村書店（新潟）（2015/07発売）

• サイズ B5判／ページ数 79p／高さ 27cm
• 商品コード 9784890137282
• NDC分類 723.37
• Cコード C0071

内容説明

「カナの婚宴（婚礼）」は、ヨハネ福音書のなかで語られるキリストの最初の奇跡の話だ。これに着想を得て、ヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ修道院の食堂を飾るための、このヴェロネーゼの壮大な傑作は注文された。画家は、婚宴に招かれた客たちのために、魅力的な細部を満載した豪奢な祝宴をあつらえ、絵のなかに、少なくとも２つの謎をしのばせた。それは、真の主役である新郎新婦が誰なのか？そしてとりわけ、２人のために演奏をしている楽士たちが誰なのか？「ソムリエ」「フォーク」「食卓のご馳走」「楽士たち」「空と鐘塔」「降り注ぐ薔薇の花」…１７のキーワードから名画を読み解く。

目次

ヴェネツィア、サン・ジョルジョ修道院の祝宴
「ヴェローナの画家パウロ・カリアール殿」
１５６２年―『カナの婚宴』に関する契約
『カナの婚宴』を読む
宴席の客たちは誰か
『カナの婚宴』の遍歴
図版：『カナの婚宴』（全図）
部分解説（キリストと聖母マリア；ぶどう酒の奇跡；ソムリエ；宴会の世話役　ほか）
年譜：ヴェロネーゼの生涯とその時代

著者等紹介

カルミナーティ，マルコ［カルミナーティ，マルコ］ ［Ｃａｒｍｉｎａｔｉ，Ｍａｒｃｏ］
１９６１年、ミラノ生まれ。美術ジャーナリスト。ミラノ・カトリック大学で中世・近代美術史を学び、現在、ミラノに本拠をおく日刊紙『イル・ソーレ・ヴェンティクアットロ・オーレ（Ｉｌ　Ｓｏｌｅ　２４　Ｏｒｅ）』の美術欄の責任者として活発な執筆活動を展開している

越川倫明［コシカワミチアキ］
１９５８年生まれ。東京藝術大学美術学部教授。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了（美術史学専攻）。国立西洋美術館主任研究官を経て、現職。専門はイタリア美術史

山本樹［ヤマモトイツキ］
１９８９年生まれ。東京藝術大学大学院博士後期課程在籍中。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了（芸術学専攻）。日本学術振興会特別研究員（ＤＣ）。専門はイタリア・バロック絵画（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[takakomama]

「カナの婚宴」に描かれているのは、キリストの最初の奇跡。677×994ｃｍ！　こんなに大きな絵画なのかと驚きました。細部までじっくりと見ました。いろいろな意味が込められていますね。

2019/03/22

[deerglove]

日本では桶狭間の戦いの直後。1562年6月6日に交わされた契約によって制作された作品。その内容は「壁面と同じ高さと幅で」「キリストが奇跡を起こしたカナでの祝宴」を「可能な限り多くの人物を画面に自然なかたちで組み込む」ことが求められていた。結果、そこには130人！を下らない人物が描かれ、人々のざわめき、給仕たちの動作、食事やぶどう酒を注ぐ音、動物たちの鳴き声、そして何より楽士の奏でる音楽が鳴り響いている。この細部に目を凝らせば凝らすほど楽しめる臨場感にあふれた絵は、ぜひ本物を確かめたいですね。

2024/08/08