内容説明
死をタブー視してきた伝統的価値観に対し、「死への準備教育」という新たな価値観が提議され、日本人の死生観は大きな転換期を迎える。それとともにターミナルケアをめぐって社会精神医学、比較文化学、臨床心理学、社会学といった異職種からのアプローチがなされ、市民の側も死の看取りへの関心が高まりを見せていく。高齢者のターミナルケア、ガンの告知と死の準備、死の臨床と精神医学の接点ほか、詳細な6症例の検討、さらに8本の原著を収録。
目次
シンポジウム1 高齢者のターミナルケア
シンポジウム2 死の受容―東西霊性交流の立場から
シンポジウム3 日本におけるホスピスの現状と課題
自己の探求―ケアの実践のために
私たちの長い命のために
癌の告知と死の準備
総合病院精神科における終末期老人患者へのターミナルケア
ナースコールの工夫(音声感知型ナースコール)による四肢麻痺患者の看護―器具の工夫で不安と疼痛が軽減出来た一事例を通して
医療費の分析から見たホスピスケア
終末期がん患者に対する症状コントロールとしての外科的治療〔ほか〕