内容説明
標高4900mの強大な砂山を登り、50°Cを起える海面下133mを走る「熱風街道1万キロ」―シルクロード。悠久の彼方より東西の文明をつないだ道。熱風。流砂。陽炎。豪雨。自然は気まぐれだ。600ccのバイクは、砂をかみ、泥をはね上げる。“苛酷”その2文字が頭についてはなれない。人々との出会いだけが、荒んだ心を和ませてくれる。砂の人、山の人、草の人、町の人…熱い人々との出会い。バイクを見つめる少年達の好奇に満ちた、けれど澄んだ瞳。はるか地平に何があるのか、知っているかのような老人の遠い目。「来てよかった」そんな実感を乗せて、175kgの鉄の馬はまた走る。
目次
プロローグ 旅の中へ
風も熱い、人も熱い
食は路上にあり
ラフロード・シルクロード
パミールのトレンチコート
砂漠の欲情
ウィグル青年、かく語りき
エピローグ 黄金の季節