内容説明
“煽情小説”の悪女たちは、従順さを装い陰で策謀を巡らし、天使の仮面をかぶって魔女さながらに男を操り、財産を狙う。『若草物語』と真逆の世界オルコットの狙いは何?
目次
第1章 不撓不屈の右手
第2章 煽情小説(「がらくた」への傾倒;「私の奉公体験」―煽情小説の原点となった短編;「暗闇の囁き」;「V・V・策略と対抗策」;「仮面の陰で女の力」;「暴君馴らし」;『愛の果ての物語』)
第3章 南北戦争時における病院の現状報告(『病院のスケッチ』)
第4章 リアリズムの小説(『気まぐれ』;『仕事 経験の物語』)
第5章 少女小説(『若草物語』『続若草物語』)
著者等紹介
廉岡糸子[カドオカイトコ]
梅花女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
14
「若草物語」を書いたオルコット。彼女が生活のために書いていた、サスペンス、恋愛、殺人の内容いっぱいの「扇情小説」。しかし、そこには当時の女性が置かれた状況と自立の問題が色濃く表れていた…という内容。彼女のさまざまな種類の作品。その紹介を通して、19世紀のアメリカで女性が置かれていた位置が分かりやすく理解できた気がする。とりわけ、魔性の女がのしあがっていく扇情小説の内容が面白くて痛快でした。2018/12/16
ごへいもち
12
パラパラと見ただけ。「フィッツ・パトリック」?2023/07/21
Gen Kato
2
『若草物語』は子供のころから好きで、大人になってから再読もしているのだけれど、ジョーが普通に結婚するのがいささか「納得できないなあ」でした。が、オルコット自身の人生と時代背景を知っていくぶん「そうするしかないかなあ」と片付いた気分になれました。『八人のいとこ』も読んだけどあまり印象がないなあ。扇情小説を読んでみたい。2021/02/07
にきゅ
2
若草物語以外の作品、煽情小説を読んでみたいな。女性は家庭の天使であることが求められた時代、オルコットは偉大。気になったのが、18XX年という記述が数カ所19XX年になっていたこと。校閲してる?本自体は面白かった。2016/09/07