内容説明
ネッドは11歳になろうとしていた。11歳の誕生日は大切な日だとだれもがいう。ヒラリーおじさんは、誕生日に空気銃を贈ってくれた。パパは、銃を使うのは、まだはやいから、屋根裏部屋にしまっておくようにという。だが、その夜、空気銃をもちだしたネッドは撃つ気もなしに、闇の中で銃をかまえ、黒い影が動いた瞬間、引金をひいてしまう。秋から冬へかけ、ネッドは悩む、自分が傷つけたかも知れない片目になったねこと、ママとパパの信頼を裏切ったこと。そして、ネッドは老人のスカリーさんの家に手伝いにいく。片目のねこがスカリーさんとの結び付きをいっそうふかめていく。長い冬の苦しみを越え、春とともに、ネッドのなかに生きるために一番大切なものが育っていく。