内容説明
古書と生きた幕末明治~昭和の60人。下町から神田地区へ通いつめた痛切な青春の思い出が交叉、そこでの人・本との出会いの50年。江戸川乱歩の三人書房、高見順・川端康成らの貸本屋鎌倉文庫の発掘秘話まで…。著者が最も世に遺したき本!ちくま文庫『古本屋群雄伝』に東京堂出版『古本屋奇人伝』からの3篇と新稿を加えた改編本。
目次
第1章 古本業界の先達たち(蔵書印でいまも信頼される江戸の古本屋―待賈堂・達磨屋五一;緑雨が描く古本屋の小僧さん―浅吉・吉田音次郎 ほか)
第2章 下町の古本屋(市場で見せた古本捌きの名人芸―振り手の名人・島田道之助;日記に残された戦時下の古本屋―杉山書店・杉山留治 ほか)
第3章 忘れがたき同業者たち(テレビ局を定年後、文学書の通販―くぬぎ文庫・渡辺九郎;親子二代で市場の名物男―新松堂・杉野宏 ほか)
第4章 作家たちの古本屋(二葉亭四迷とならぶ嵯峨の屋おむろ―十邑堂書店・矢崎鎮四郎;江戸川乱歩の古本屋時代―三人書房・平井太郎 ほか)
第5章 多芸多才な人々(画期的だった古本の正札販売―岩波書店・岩波茂雄;書誌学者にして書物蒐集家―詩仙洞・石川巖 ほか)
著者等紹介
青木正美[アオキマサミ]
1933年東京に生まれる。50年都立上野高校中退。53年葛飾区堀切に古本屋を開業。商売のかたわら、近代作家の原稿・書簡、無名人の自筆日記などの蒐集に励む。86年同業三人で季刊誌「古本屋」を創刊、五年間で一〇冊を出し終刊する。また、文筆活動にも取り組み、著書も多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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