内容説明
雪崩うつ戦争への時代に命がけで反戦を貫いた川柳人たちがいた。治安維持法違反で、29歳の生涯を閉じるまで川柳革新の志を曲げなかった。たぐいまれなる才能と、強じんな精神力で、川柳を文学に高めた偉業をたどる。
目次
1 プロローグ
2 生い立ちと「新興川柳」
3 プロレタリア川柳へ
4 第七聯隊赤化事件
5 大衆性と芸術性
6 検拳・病・終焉
7 エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
18
川柳作家の本を探して図書館で見つけた本。川柳界の小林多喜二というような。田中五呂八のもとで「詩としての川柳、芸術としての川柳」の新興川柳を学ぶが大阪に移転後プロレタリア川柳に目覚める(工場労働者としてマルクス主義への目覚め)。軍隊では赤化事件を起こして監獄生活。除隊後に井上剣花坊がなくなり妻を助ける。その後に治安維持法で検挙されて発禁処分となって獄中死。29歳の若さだった。「手と足をもいだ丸太にしてかえし」「暁を抱いて闇にゐる蕾」2023/04/26
tecchan
0
「手と足をもいだ丸太にしてかへし」。衝撃的な川柳である。 昭和初期、反戦川柳作家で若くして獄中病死した、鶴彬を紹介した作品。この本は、当時の川柳等の流れの説明が多く読みにくかった。鶴彬をもっと紹介してもらいたかった。2020/06/04
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