内容説明
『想像の共同体』で日本の思想界にも強い衝撃をもたらしたベネディクト・アンダーソンの重要論文集。現代世界が直面する最大の問題である民族とナショナリズムを考えるとき、ベネディクト・アンダーソンは最も注目される思想家であろう。本書はその思想形成をあとづける、30年に及ぶインドネシア研究に基づく八本の論文で構成。国民国家という虚構はいかにして生まれたのか、そのとき言葉(国家語)は出版資本主義とどう関係し、どう変容したのか―。
目次
第1部 権力(ジャワ文化における権力観;カリスマをめぐる更なる冒険;古い国家、新しい社会)
第2部 言語(インドネシア政府の言語;漫画と記念碑;スンバー‐スンパー、あるいは恭順と呪詛)
第3部 意識(暗黒の時代と光輝の時代;階級対立の萌芽、ジャワの二つの古典について)