内容説明
お母さまがたに絶大な人気と信頼のある著者の最新絵本論。『もりのなか』『まよなかのだいどころ』『100万回生きたねこ』などの、古典から現代絵本までの24冊の傑作絵本をとりあげ、そのおもしろさ、作品独自の表現世界・成り立ち・背景などを、1点ごとに具体的に、簡潔明瞭に解きほぐす。
目次
もりのなか―見えないものが見える世界
ペレのあたらしいふく―根のある暮らし
もこもこもこ―ことばの音が見える絵本
ごろごろにゃーん―わからないおもしろさ
まりーちゃんとひつじ―すべてひとつに融けあって
かちかちやま―悪役・狸の存在感
あおくんときいろちゃん―自分とはなにか
しんせつなともだち―実話をこえた創作の力
はるにれ―写真のなかに秘められたことば
ちいさいおうち―画面に息づくアメリカ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
paluko
7
最近(外国語の)絵本を集めるのに凝りはじめましたが、まず読むべき古典名作というのをいまひとつ把握していないので。著者は福音館の社長→会長を務めた方で、他にも多数、絵本に関する著書があるようです。『ちいさいおうち』『ちいさなさかな』は子供の頃持っていたのを思いだし、懐かしかった。『まよなかのだいどころ』『ロバのシルベスターとまほうのこいし』『本はこうしてつくられる』は読んでみたい。2022/02/07
のん@絵本童話専門
2
最っっっ高!絵本への熱情が溢れてくるのを止められない一冊でした…!ロングセラー絵本24冊を巨匠・松居直さんが1冊ずつ解説してくださっています。気付かなかった発見、知らなかった背景が盛りだくさん、知的満足感に包まれています…素晴らしい絵本がなぜ素晴らしいのか理由が分かります。『松井直のすすめる50の絵本』よりも、内容ははるかに深いです。その分読みごたえがあり、主婦のふわふわ頭には理解できるギリギリですが、何度も読み込みたい一冊です。子どもの本に携わるすべての方にこの本が読まれることを願います!コメントへ続く2021/01/13
ぼんくら
2
松居本の五冊目。1995年初版。「母の友」に連載されたもので、松居さんの好きな絵本24冊について語っています。福音館の本が半分ですが、「ちいさいおうち」「ピーターのいす」「100万回生きたねこ」など他の出版社の本もちゃんと紹介されています。松居さんはものすごく絵を読む方なので、テキストばかり読んでいる(子どもに読み聞かせることがほとんどだからね)こちらとしては初めて気がつくことばかり。新鮮な目で絵本を読み直すことが出来ます。2010/07/17
ayu
1
松居さんの書評集。エッツなど、松居さんの好む作品が多く、興味深く読めた。今の日本の絵本は、松居さん抜きではあり得ない。松居さんの絵本に対する考えには全幅の信頼を寄せている。絵本の表紙や見開きも載っているので、わかりやすいし興味も持ちやすいと思う。2014/12/10
アイ
1
いくつかの有名な絵本をとりあげて、その作者のバックグランドや、作品の解説をした本。こどもにどんな本を、どんなふうに読んだらいいかわからない人にはぜひ読んでほしい。絵本とはどういうものか、絵本や読み聞かせが、こどもにどんな影響を与えるか、付け焼き刃でない知識がつくとおもう。2011/07/20