感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
武井 康則
6
文芸誌の元編集者という著者だが、まず何を書きたいのか分からない。昭和の30年頃まで編集者として働いていたのだろう、船橋聖一や中村光夫、伊藤整の名がみえる。しかし、他の編集者のように作家との交友がなかったのだろう、怖かった、緊張したのみ。内容はなぜ純文学が私小説になっていったかとか、出版事情など、編集の立場からと言いながら、一般的な歴史から振り返った結論になったりする。物事を整理して書けないのか、偏った文学知識を書いたり思いを書いたり、と起と承と結がつながっていない。表題の意図が全く生きておらず残念。2025/07/29