出版社内容情報
《内容》 新薬も含め実地臨床に必要なup-to-dateの知識を解説
《目次》
第 I 部 総 論
1.化学療法の効果判定法
臨床的治療の効果/奏効率および生存期間/薬物有害反応/RECISTについて
2.薬剤耐性の機構
さまざまな耐性の機構/膜輸送蛋白質/DNAマイクロアレイを用いた耐性の研究/SNPs,突然変異と抗癌剤感受性
3.抗癌剤感受性試験の意義
おもな抗癌剤感受性試験法/胃癌化学療法の現況/In vitro抗癌剤感受性判定の臨床相関/抗癌剤感受性試験の有用性の検証の必要性
4.消化器がんの分子標的治療
血管新生阻害薬/シクロオキシゲナーゼ阻害薬/プロテアーゼ阻害薬/チロシンキナーゼ阻害剤
5.Tumor dormancy therapy
化学療法としてのtumor dormancy therapy(TDT)とは?/TDTに合致した濃度設定法(投与方法) /毒性グレード1/2を指標とするtailored dose化学療法/iMRD治療の実際/MTDとiMRDの比較/血管新生抑制剤とiMRD治療の併用
6.がん化学療法の副作用対策
副作用の発現時期/悪心・嘔吐/下痢/口内炎/神経障害/腎障害/骨髄抑制/浮腫/血管外漏出/肺毒性/心毒性
第 II 部 各 論
1.注目される抗癌剤
(1)TS-1
TS-1の作用機序/胃癌におけるTS-1の臨床試験成績/TS-1の併用療法/その他の消化器癌に対するTS-1の効果
(2)CPT-11(塩酸イリノテカン)
CPT-11の薬理学的特性/消化器癌におけるCTP-11の位置づけと臨床成績/CPT-11の注意すべき有害反応
(3)タキサン系薬剤
パクリタキセル/ドセタキセル
(4)カペシタビン
カペシタビンの腫瘍選択性と5-FUへの変換機序/胃癌/大腸癌
2.食道癌に対する化学療法
ステージ I /ステージ II / III (T4を除く)/ステージ III (T4)/IVa/ステージIVb/初回治療抵抗例に対する二次治療/放射線化学療法施行時の注意
3. 胃癌に対する化学療法
胃癌化学療法の生存期間延長への寄与/第1選択の化学療法/国内で行われている胃癌の化学療法
4.大腸癌に対する化学療法
化学療法の実際と効果/転移性大腸癌に対する標準的治療法/転移性大腸癌に対する新規抗癌剤/術後補助化学療法/肝動注化学療法
5.膵・胆道癌に対する化学療法
膵癌に対する化学療法/胆道・胆管癌に対する化学療法
6.肝細胞癌の化学療法
肝細胞癌治療のアルゴリズムからみた化学療法の位置づけ/腫瘍動脈化学塞栓術(TACE/Chemolipiodolization/動注化学療法/経口抗癌剤による化学療法
7.転移性肝癌に対する動注化学療法
背景/肝動注化学療法の適応/治療の実際/有害事象
8.消化管悪性リンパ腫に対する化学療法
診断とステージング/各論(MALT lymphoma/びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療/Mantle cell lymphoma)
9.GISTに対する化学療法
GIST/推奨されるレジメン/イマチニブ
内容説明
化学療法は本来、十分な知識と経験をもった専門医のもとで行われるべきであるが、一部のがん治療専門施設を除いて、診断学を専門とする内科医が検査の傍らで、あるいは外科医が手術の傍らで化学療法に携わっているケースが少なくないのが現状と思われる。そこで化学療法を専門としない医師が実地臨床で必要なup‐to‐dateの知識を得られるような消化器がん化学療法に関するハンドブックとして本書を企画した。
目次
第1部 総論(化学療法の効果判定法;薬剤耐性の機構;抗癌剤感受性試験の意義;消化器がんの分子標的治療;Tumor dormancy therapy;がん化学療法副作用対策)
第2部 各論(注目される抗癌剤;食道癌に対する化学療法;胃癌に対する化学療法;大腸癌に対する化学療法;膵・胆道癌に対する化学療法;肝細胞癌の化学療法;転移性肝癌に対する動注化学療法;消化管悪性リンパ腫に対する化学療法;GISTに対する化学療法)
著者等紹介
市倉隆[イチクラタカシ]
防衛医科大学校第一外科講師
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