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《目次》 第I章 現時点における内視鏡治療の実態 1.一般病院の場合(鈴木 康元) a.病院における大腸検査・治療の実体 b.担癌率およびsm浸潤率の変遷 c.大腸腫瘍性病変の年齢 d.大腸腫瘍性病変の性 e.大腸腫瘍性病変の占拠部位 f.大腸腫瘍性病変の形態 g.大腸腫瘍性病変の大きさ 2.大学病院の場合(河野 弘志,鶴田 修) a.内視鏡治療の頻度 b.内視鏡治療の適応と方法 適応/方法(ホットバイオプシー/ ポリペクトミー/内視鏡的粘膜切除術/ ピースミールポリペクトミー/ レーザー治療、高周波治療、 ヒーターブローブ凝固法) c.内視鏡治療後の方針 追加切除/内視鏡による経過観察 3.集検発見ポリープとその取り扱い(安藤 正夫,望月 福治) a.有腫瘍率とその内訳 b.発見腫瘍の治療方針 c.内視鏡治療例の成績 d.経過観察例の成績 *編集者のコメント(多田 正大)第II章 微小病変、小病変はどこまで治療すべきか A.微小病変、小病変はどの程度発見されるか 1.集検、人間ドック検診の場合(多田 正大、藤田 直子) a.農村における住民大腸癌検診での頻度 b.都市部における職域大腸癌検診での頻度 c.人間ドックにおける頻度 2.一般病院の場合(田淵 正文) a.微小病変の発見頻度 b.初診時と再診時における腫瘍発見頻度 c.大腸腫瘍発見率の差はなぜか 3.大学病院の場合(岡本 春彦、畠山 勝義) a.大腸内視鏡検査施行の理由 b.大腸腫瘍の内訳 c.腺腫、早期癌の形態、大きさ d.腫瘍の大きさから見た症例数 *編集者のコメント(工藤 進英) B.腺腫、癌と非腫瘍性病変の鑑別は可能か 1.通常観察の場合(安藤 正夫,望月 福治) a.非腫瘍性病変の頻度 b.腺腫、癌と非腫瘍性ポリープとの通常観察における鑑別 5mm以下の腺腫と癌との鑑別/過形成ポリープとの鑑別/ 炎症性ポリープとの鑑別/若年性ポリープ/ P-J型ポリープ/粘膜下腫瘍 2.通常観察における腺腫、癌と非腫瘍性病変との鑑別(五十嵐正広) a.非腫瘍性病変の頻度 b.腺腫、癌と非腫瘍性ポリープとの通常観察における鑑別 5mm以下の腺腫と癌との鑑別/過形成ポリープとの鑑別/ 炎症性ポリープとの鑑別/若年性ポリープ/ P-J型ポリープ/粘膜下腫瘍 3.拡大観察の場合(藤井 隆広) a.通常内視鏡観察での腫瘍・非腫瘍の鑑別 b.拡大内視鏡の利点 c.拡大内視鏡観察における腫瘍・非腫瘍の鑑別 4.大腸表面微細観察は有用か?(佐野 寧) 5.実体顕微鏡から遡及する(河野 弘志、鶴田 修) a.pit pattern診断 b.非腫瘍と腫瘍の鑑別 c.腺腫と癌の鑑別 d.深達度診断 *編集者のコメント(多田 正大) C.小さいポリープはどこまで治療すべきか 1.pit pattern診断からの検討(山野 泰穂) 2.大腸微小腺腫の自然史と大腸微小ポリープの取り扱い(田淵 正文) ●私はこう考える“小さいポリープの治療” 担癌率およびsm浸潤率から見た検討(鈴木 康元) 大腸微小病変の効率よい取り扱い方法(河野 弘志、鶴田 修) 5mm以下の隆起型は治療不要(安藤 正夫、望月 福治) 小さくても腫瘍性病変ならポリペクトミーが必要(五十嵐正広) 微小病変に対する治療(藤井 隆広、尾田 恭) 小さいポリープに対する積極的切除意義(岡本 春彦、畠山 勝義) 5mm以下のポリープをどうするか(佐野 寧、藤盛 孝博) 大きさと肉眼形態から見た悪性度(田中 信治、平賀 裕子) 微小病変に対する内視鏡治療の効率向上を目指して(斉藤 裕輔、高後 裕) *編集者のコメントのコメント(工藤 進英)〈画像〉〈画像〉第III章 大きいポリープはどこまで治療できるかA.深達度からの限界 (1)sm細分度分類からみた適応と限界 1.sm癌浸潤度分類からみた適応と限界(山野 泰穂) 2.浸潤先進部の組織学的分化度の重要性(田中 信治、木村 敏久) a.sm細分類 b.sm浸潤先進部の組織型 c.sm細分類と浸潤先進部組織型の関係から見たリンパ節転移率 d.リンパ節転移危険因子の多変量解析結果 e.大腸sm癌のEMRの適応基準 *編集者のコメント(多田 正大) (2)深達度診断はどこまで正確にできるか 1.通常内視鏡の場合(河野 弘志、鶴田 修) a.早期大腸癌の大きさ別、形態別のsm浸潤率およびsm浸潤度 b.早期大腸癌の表面性状別浸潤度 c.non-lifting sign 2.拡大内視鏡の場合(佐野 寧、青山 伸郎) 3.拡大内視鏡による深達度診断(藤井 隆広) 4.EUSの場合(安藤 正夫、松永 厚生) a.深達度診断の指標 b.使用超音波機器について c.深達度診断の成績 5.X線を含めた総合診断の場合(斉藤 裕輔、折居 裕) a.対象と方法 b.sm細分類からみた各種検査法における深達度診断能 c.治療選択における深達度診断能 *編集者のコメント(多田 正大) B.大きさ、形態などからの限界 1.隆起型の場合(岡本 春彦、畠山 勝義) 2.陥凹型の場合(山野 泰穂) 3.結節集簇様病変の場合(田中 信治、谷本 達郎) a.LST内視鏡切除後の遺残・再発の原因 b.LST内視鏡切除後の遺残・再発病変の特徴 4.一括切除か分割切除か?(斉藤 裕輔、高後 裕) a.EMRにおける腫瘍径別の病理組織学的断端陽性率 b.切除法別の断端陽性率 c.症例呈示 d.EMRにおける一括切除の重要性 *編集者のコメント(工藤 進英) C.合併症の発生からみた限界と対策 1.大きさおよび組織からみた検討(鈴木 康元) a.大腸ポリペクトミー後の合併症 b.病変の大きさと合併症の発現頻度および担癌率 c.病変の組織と合併症の発現頻度 d.合併症の発症日 e.合併症を予防するためのコツ 2.偶発症からみた内視鏡切除の限界と対策(田中 信治、春間 賢) a.偶発症の発生状況 b.出血とその対策 c.穿孔とその対策 3.クリッピングの有用性(岡本 春彦、畠山 勝義) *編集者のコメント(多田 正大) ●私はこう考える“大きいポリープの治療” (藤井 隆広) 大きさは技量と深達度診断の正確さに応じて決まる(五十嵐正広) (河野 弘志、鶴田 修) 30mm以上の腺腫および早期癌の取り扱いについて(安藤 正夫、望月 福治) 第IV章 放置したポリープのサーベイランスはどうすべきか 1.放置された場合のサーベイランスについて(五十嵐正広、勝又 伴栄) a.放置してもよいポリープとは b.サーベイランスの必要性について c.摘除後サーベイランスで発見される腫瘍の頻度 d.ポリープの大きさとサーペイランスによる癌発見率 e.初回治療個数別癌発見率 f.サーベイランスで発見された癌 g.サーベイランスの実際 2.大腸内視鏡検査における見逃しの可能性と検査間隔の設定 (藤井 隆広、大桑 正名) a.NAD例における腫瘍発見率 b.NAD例の検査間隔と腫瘍発見率 c.既往切除病変の性状と腫瘍発見率 d.初回見逃しの可能性 *編集者のコメント(工藤 進英
内容説明
本書の内容は現時点でのポリペクトミーの実態報告に始まり、ポリペクトミーが必要な小さなポリープ(本書では小ポリープは10mm以下、微小ポリープは5mm以下と定義した)はどのようなものか、またその質的診断はどうかを取扱い、次いで大きなポリープの大きさ、深達度、合併症からみたポリペクトミーの限界をさぐり、放置したポリープのサーベイランスのやり方で結ばれている。
目次
第1章 現時点における内視鏡治療の実態
第2章 微小病変、小病変はどこまで治療すべきか
第3章 大きいポリープはどこまで治療できるか
第4章 放置したポリープのサーベイランスはどうすべきか