内容説明
1945年(昭和20)8月6日広島に、そして9日長崎に、世界ではじめて、原子爆弾が投下された。その年のうちに、広島では約14万人、長崎では7万4千人が死に、街は一瞬にして壊滅した。私は、空が燃え、それぞれの街が灰の街になるところを見た。一度目は仕事の出張先のヒロシマで…、二度目は故郷のナガサキで…。つまり、私は広島と長崎で二重被爆したのである。
著者等紹介
山口彊[ヤマグチツトム]
1916年長崎市に生まれる。旧制中学卒業後、現在の三菱重工長崎造船所に入社。造機設計部商船艤装設計課で製図工として勤務する。1945年広島に出張中の8月6日原爆被爆にあい、左鼓膜が破れ、左上半身に大火傷を負う。翌日8月7日避難列車で長崎の家族のもとに帰る。2日後8月9日長崎市に原爆が投下されてまたも被爆。「二重被爆」を体験する。戦後、会社を解雇されたが、7年後に復職。定年までタンカーの設計を担当する。2006年被爆体験の「語り部」として活動をはじめ、8月にドキュメンタリー映画『二重被爆』に出演して国連の上映会に参加、反核スピーチをおこなう。2010年胃がんのために逝去。享年94(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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